漫画を読んで手に入れたのは、生きやすさと優しい気持ち
無理やり迫られたときや、理不尽な怒りを向けられたとき、好きなものを否定されたとき。嫌な感情を抱いているのも、それを相手に向けるのも、我慢して対応するのも辛いのを知っている。感情移入せざるを得ない。
吹っ切れて、すべてリセットして変わろうという気持ちになるのもわかる。だから、いろいろな人に振り回された後で、自分らしい暮らしを取り戻した彼女には強い共感を覚えたし、同時に今の私を認めてもらえた気分になった。『凪のお暇』は、弱い彼女が一つひとつコンプレックスを克服し成長するのに若い頃の自分を重ね、応援したくなる漫画だ。
■漫画を読むと、他人や自分にもっと優しくなれる
物語と現実の世界をつなげて漫画を読むと、視点を変えて過去の出来事や自分の性格を見つめ直すことができる。気持ちを改めさせてくれるし、肯定してくれることもある。
そのお陰で漫画を読む前よりずっとリラックスして生き、たくさんの人に優しくできるようになる。漫画は読んだ分だけお金はかかるが、たくさん心の中に得るものがあるし、何より楽しいから好きだ。
Text/笹山美波
「東京右半分」に生まれ育つ。編集記者を経て、外資マーケティングサービスのプロデューサー、マーケター。