映画『エンジェル、見えない恋人』感想。ふたりにだけ、見える愛がある。
こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。
映画の魅力に美しい映像美がありますが、【シネマの時間】第43回は、詩的で幻想的な映像美に包まれた恋愛ファンタジー映画『エンジェル、見えない恋人』をお送りします。
姿の見えない少年”エンジェル”と盲目の少女”マドレーヌ”。
世界の片隅で出会ったふたりの、とびきりピュアで切ない小さな恋の物語。
やがて美しく成長したマドレーヌは、目の手術することを決心し視力を回復するのですが……。
製作を務めるのは、『神様メール』『トト・ザ・ヒーロー』などで知られるベルギーの名匠ジャコ・ヴァン・ドルマル監督。
彼が長年の友人でもあるハリー・クレファン監督とタッグを組み、『ぼくのエリ200歳の少女』や『シザーハンズ』に続く切なくも愛おしいラブロマンスを創り上げました。
木漏れ日の柔らかな自然光、エンジェルとマドレーヌが交じり合うメロウで官能的な描写など、極力CGに頼らず、クラシックな実写の特殊効果を駆使し、夢物語のような世界観をもたらしています。
”ふたりにだけ、見える愛がある――”
「大切なものは目に見えない」(『星の王子さま』)という名言がありますが、ちょっとそんな物語も思い出しました。