アートをもっと気軽に楽しむ。「森山大道展」参加レポート
例えば美術館でよく見られる、作品前に置いてある立ち入り禁止のロープ。ここにはそのような境界線はありません。また、完全招待制のため人混みで作品が見えない、といったこともなし。作品を間近で鑑賞することができます。
作品名の記載がないところも、見ている人の想像力を掻き立てます。
シャンパンを片手に、来場者の方は会話を楽しんでいました。
■写真に現れる、光と陰の世界
今回展示されている作品はすべて白黒写真。写真の現像は大道さん自身でおこなっているのですが、印刷用の特殊な薬品を調合し、色を出すのがとにかく至難の技だそう。
大道さんが見せたい色を突き詰めて出した「鮮明な黒」こそが、作品の美しさを形作っています。
今回ご紹介したいのは「Osaka, Daido hysteric no. 8」シリーズからの作品。
Osaka, Daido hysteric no.8 (1997)© Daido Moriyama Photo FoundationCourtesy of Taka Ishii Gallery
どこまでも続くかのような真っ直ぐな線路に、引き込まれそうになります。
最近の大阪の駅にも見えるし、どこか懐かしい風景にも見えるこの写真について、加藤さんからは「白黒だからこそ、時を超えることができるのかもしれないですね」