池田エライザ「完璧でいたいなんて、独りよがり。自分に嘘をつかず、猪突猛進でいく」
そういう人間ドラマの部分にすごく納得できてからは、作品が“単なるホラー”じゃなくなったんです。茉優ほどの絶望のどん底を味わったこともないし、ぜひそのお芝居を担ってみたい、という気持ちになれました」
とはいっても、撮影はやはり、恐ろしいシーンが絶え間なく続く。
怖がりなのに大丈夫だったんですか?と尋ねると、彼女はまた笑った。
「いや、めちゃくちゃ怖かったですよ!貞子がテレビから出てくるシーンは、撮っているのを見ているだけでもすごく怖かった。いまも使われている病院をお借りして撮影したので、合間に病室で仮眠をとっていると、金縛りに遭っちゃったり……。撮影後にお祓いしていただいたので、もう詳しくは言えないけれど、本当にいろんな怪奇現象がありました」
■ストイック。というより、力加減が調節できないタイプなだけ
しかし、作品で池田エライザが見せる“恐怖”は、彼女自身の怖がりや、現場の怪奇現象をしのぐほど、生々しく感じる。「私のお芝居は、これくらい目を見開いて身体を震わせて……というテクニックではなくて、自然とそうなってしまう精神状態に持っていこう、というやり方なんです。
『このシーンを撮り終わる5時間後まで、絶対に泣きやまないぞ』みたいな。