バルトーク「弦楽四重奏曲」が、脳の新たな場所を揺さぶる1881年、ハンガリーに生まれ、後期ロマン派や印象主義の影響を受けながら、民俗的な野性味を織り込んで独特の世界を構築したバルトーク。6曲から成る「弦楽四重奏曲」は、ベートーヴェンの16曲と並び称される名作です。
この「弦楽四重奏曲」は、1908年から30年余をかけて作曲されたました。民俗舞曲を思わせる情熱的な1番から、ナチスの暴虐を逃れてアメリカに亡命する直前に、ヨーロッパへの“惜別の音楽”として作曲され、4楽章すべてに「メスト(悲しげに)」と指示がある6番まで、感情の深淵に至る様があまりにも深く描かれています。アルバン・ベルク四重奏団による珠玉の演奏も圧巻で、脳ミソの今まで使われていなかった部分が、メリメリと動き始めるのがわかるでしょう。
近藤譲 作品集「表面・奥行き・色彩」が、新たな扉を開く快感2012年、アメリカの芸術・文学アカデミーの外国人名誉会員に、日本人作曲家で武満徹に続いて2人目に選ばれた、国際的に活躍する現代音楽作曲家・近藤譲をご存じですか?
同年に発表され、タイトル曲を含む7曲が収められたこのCDは、聴き慣れない音楽かもしれませんが、ストラヴィンスキー、バルトークと聴いていただくのがおすすめです。感情や物語だけに支配されない美しさで、自分でも知らなかった心の領域に降りていけると思います。国内最高の現代音楽演奏集団アンサンブル・ノマドの演奏が見事で、身体感覚として新たな扉が開くのを感じるはず。
近藤譲は現代音楽についてこう語っています。「現代音楽は、今まで聴いたことがない音楽を聴くおもしろさもあるけれど、それ以上に、それを聴いたことで過去の音楽が違って聴こえるおもしろさがある。実はこういうふうに聴くことができたんだ、と気づけることこそ、とても新鮮!」これって人生にも当てはまるような気がします。そんな素敵な音楽に、出会ってみませんか?
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ストラヴィンスキー「ピアノ曲集」
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バルトーク「弦楽四重奏曲」
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近藤譲 作品集「表面・奥行き・色彩」
第二子妊娠の菊地亜美さん、二度の流産経験を明かす「芸能人も全部を言ってるわけではない」