お金が貯まる夫婦、貯まらない夫婦
貯蓄モードになる正しいステップと間違った貯蓄モードの続きです。
「必ず貯蓄できる鉄板のルールがある」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん。
家庭のお財布をひとつにできたら、次にすべきことは? 具体的なステップを、教えてもらおう。
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■ステップ1 「お金の流れ」を把握する
「お金の流れを把握する」。言葉にすると、簡単にできそうな気もするが、実際にやってみると、かなり面倒な作業だと気がつくはず。けれども、面倒な作業だからこそ! 家庭が「若い」うちにこそ、コツをつかんでおくことをおすすめする。
ところで、お金の流れを把握する「コツ」をひとことで言うと?
「お金の流れを把握するコツは、
『月収の支出』と、『ボーナスの支出』をきちんとわけて記載することです」(畠中さん)
月収から支払う支出は、日々の生活費。ボーナスから支払う支出は、日常を回してくとは別枠のお金、特別出費となる人が多いはずだ。
もしボーナスがない人は、日常の支払いと、特別出費を別に記録してみよう。
●「月収の支出」と「ボーナス支出」の分け方
出典:※結婚したら知っておきたいお金のこと(畠中雅子/海竜社)より抜粋
いちばん避けなければいけないことは、「日々の生活費の
赤字分をボーナスで補填すること」だと畠中さんは話す。
■ステップ2 貯蓄の基本は「先取り貯蓄」!
「家計のやりくりの基本は、何といっても
『先取り貯蓄』です」(畠中さん)
先取り貯蓄とは、給料から天引きで貯めたり、給与振込口座から自動振替で定期預金に預けたりして、生活費に充当する前に、貯蓄に振り分けてしまうシステムのことをいう。家計費としてやりくりした結果、残ったお金を貯めることは、貯蓄の基本ではない。
「先取り貯蓄は、貯蓄の鉄板ルールです。これを守れば、必ず貯蓄できますよ」(畠中さん)
それでは、先取貯蓄を決意したとして、目標額は、どれくらいに設定したら良いのだろうか?
<毎月の収入からの先取り貯蓄(月収の場合)>
・共働き家庭 15%程度
・専業主婦家庭 10%程度
<ボーナスからの先取り貯蓄>
・住宅ローン返済がある家庭 20%程度
・住宅ローン返済がない家庭 40%程度
ボーナスがふたり分支給されている家庭では、夫婦それぞれが20%、もしくは夫婦トータルで40%の貯蓄を目指そう。
●貯蓄のワンポイントアドバイス
子どもが小さいうちが、
貯蓄をする最大のチャンスだ。
「小学生までの子どもを持つご家庭というのは、家計に占める子ども費の割合が比較的少なく、家計のやりくりに裁量がきく時期といえます」(畠中さん)
子どもが幼稚園に通っている家庭からは、「月謝が高くて、貯蓄なんて難しい」といった声が聞こえてきそうだ。
しかし高校生や大学生の子どもがいる家庭からすれば、まだまだ家計のやりくりに裁量がきく時代といえる。
この記事を書いている私自身、教育負担が重い時期(長男が私立高校1年生、双子の弟は私立中学受験を目指す小学校6年生)に差し掛かっている。そこで強く実感することは、「子どもが小学生に入るまでの『大変』は、かわいいものだった」ということだ。
■ステップ3 支出の見直しを行う
先取り貯蓄をした残りの金額で生活をしてみて、生活費が足りていれば、今のやりくりでOK。
「先取り貯蓄の残りの金額では生活できないのであれば、支出内容に問題があります。そこを見直していきましょう」(畠中さん)
支出内容の問題点を見つけるために、畠中さんが考えたのが「家計バランス表」だ。「家計バランス表」については、次回詳しく説明しよう。
■今回取材を受けてくださった畠中雅子さんの著書
『
結婚したら知っておきたいお金のこと(畠中雅子/海竜社)』
(本体1,200円+税)
●畠中雅子
3人の子ども(成人した長女、大学生の長男、高校生の次男)を育ててきたベテラン主婦であり、ファイナンシャルプランナー。
数多くの著作を持ち、新聞、雑誌、ウェブに多数の連載を持つ。
景井ひな&草川直弥主演ショートドラマ「とあるラブホテルの最上階にて」配信