■あの「ホールフーズマーケット」発祥の地
そんなオースティンは、食の街としても知られています。その理由のひとつが、先にも述べた通り、オーガニック系スーパー「ホールフーズマーケット」の発祥の地であること。その本店に行ってきました。
「ホールフーズマーケット」は、オーガニックや地元のオーガニック商品を積極的に扱うスーパー。広大な店内には、新鮮な野菜や果物、魚介類、パンなどの食品はもちろん、化粧品や洗剤など生活用品まで幅広く、豊富に扱っています。
オーガニックのコーヒー豆と地元の水を使った、オースティン発のコールドブリューコーヒー(水出しのアイスコーヒー)、「カメレオンコールドブリュー」。
特に嬉しいのは、野菜不足になりがちな旅行者にぴったりのデリコーナー。サラダやスープなどもあり、まだあまり食べられるものの選択肢が少ない、子どもの食事にも大助かりでした。
デリコーナーで買ったランチ。野菜やお米、肉もあり、子どもも大人も大満足。
ホームページによると、「
ホールフーズマーケット」が1980年にオープンした当時は、アメリカ全土で6店舗に満たないほどしか、ナチュラル系のグローサリーストアがなかったそう。開店から4年後には、オースティン以外にもどんどん進出するほどの成功を収めた、いわばオーガニック系スーパーの先駆けです。
日本でオーガニックというと高価なため、日常的に買い続けるのは難しいというイメージがありますが、ジェネリックのオーガニック食品を積極的に作っているところが多く、低価格で品質のしっかりした商品が手に入りやすいのだとか。
品揃えの豊富さ、新鮮さ、そして信頼できる品質で成功した「ホールフーズマーケット」に続くべく、オーガニックや地元食材にこだわった、おしゃれなグローサリーストアやフードコープも多くあるのが、オースティンの魅力です。
■オーガニック系のコンビニまで!
「Wheatsville Food Co-Op(
ウィーツヴィルフードコープ)」も、オーガニック系グローサリーストアのひとつ。入り口や店内には、今週の商品の何パーセントがオーガニックで、地元のものかがわかりやすく書いてあります。
グローサリーストアの「in.gredients(イングリディエンツ)」では、食材がどこから来たものかまで、細かく表示され、安心感があります。
友人によると、「オースティンに住む人の多くは、オーガニックや地元のオーガニック料理にこだわっているので、需要と供給が成り立っているからこそ実現できる」そう。子どもが生まれてから、特に食には気をつけたいと考えている私にとっては、かなりうらやましい環境でした。
このほかにもオーガニック系のコンビニもあり、ヴィーガン(動物性食品を食べない主義の人)の食品しか扱わないところなど、さまざまな食に対応してくれる店がありました。アメリカは大味でジャンクと思っていると、イメージを覆されるはず。どこもおしゃれで、老若男女問わず賑わっているのが印象的でした。
オーガニック系の食品を多く扱うコンビニ「Quickie Pickie(クイッキーピッキー)」の店内。イートインコーナーはおしゃれなカフェ風。
■オーガニック系ストアには、キッズコーナーも充実
少し話が逸れますが、スーパーの入り口に、子どもたちがフルーツを
無料で持っていってもいいというコーナーが設けられているところがいくつかありました。
また別の店では、子どもが「お腹が空いた」と泣いていたとき、すぐにお店の人が売っているりんごをむいてプレゼントしてくれました。
「ウィーツヴィルフードコープ」ではフルーツのほか、ぬり絵も用意されています。
日本では周りの目が気になるような場面ですが、
子どもへの優しい対応もとても居心地よく感じられました。