連載記事:知っている人だけトクする税金術 2017
身近な「医療費控除」も新制度がスタート! 家計を元気にする節税のきほん【知っている人だけトクする税金術 2017 第6回】
・一発でガツンと大きくトクする! 家計を元気にする税金のイロハ
・贈与税の裏事情でトクをする!? 親もママも税金対策できる “住宅購入” のコツ
・住宅ローン控除を利用できる人、利用できない人
・聞きづらい財産の話はどう話す? 30代で知らないと損をする「親の相続」問題点
・教育資金はおトクに贈与してもらう! パパ・ママが「親のお金」をうまく生かす方法
の続きです
© miya227 - Fotolia.com
税金の制度が大きく変化している中、ぜひガツンと大きな節約をしてもらいたいと考えた、本連載も最終回を迎える。最後は、税金の制度の中で、ママにとってはもっとも身近な税金、「ふるさと納税」と「医療費控除」の
新制度について説明したい。
これらは
「家計を元気にする」おトクな節税の第一歩。この税金のおトクを知ることについて、税理士の
湊 義和(みなと よしかず)さんは、「
税金に親しむキッカケにしてみては?」と話す。
■使わなかったら損! 「ふるさと納税」
© ken10ro - Fotolia.com
「ふるさと納税」とは、応援したい地方自治体へ寄付することによって、所得税が
還付(戻ってくること)されたり、また住民税が
軽減されたりする制度のこと。2015年度から、控除(本来支払う税金から差し引いて計算すること)の限度額が
2倍になり、2015年4月1日以後の寄付から、
確定申告が必要ない使い勝手の良い制度になった。
Q. 年収500万円の夫が、K市に3万円のふるさと納税をしました。夫の税金はどうなりますか?
A. 税金が2万8千円安くなります。(所得税率は20.42%、住民税は10%で試算)
多くの人にとって興味があるのは「税金がいくら安くなるか?」であって、「税金が安くなるメカニズム」ではないだろう。ゆえに、
税金が安くなるメカニズムは、本記事の最後を参照してほしい。
■「ふるさと納税ワンストップ制度」が使える人
ふるさと納税で覚えておきたいのは、
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」だ。これは、2015年4月1日以後の「ふるさと納税」について、次の条件を満たした場合、確定申告不要になるという制度だ。
ふるさと納税ワンストップ制度を利用した場合、自分が住んでいる市区町村の
住民税が減額される。この場合は、所得税は、年末調整で計算が終わっているので、本来、確定申告をして所得税からも控除される分も含めて、住民税から減額となる。
●ふるさと納税ワンストップ制度が使える人
1)確定申告が不要である給与所得者であること(年末調整だけで済む人のこと)ちなみに、「医療費控除」で確定申告を行う場合には、「ワンストップ制度」は利用できない。すでに申請していても無効となるので、忘れずに確定申告で「寄付金控除」の対応を!
2)「ふるさと納税」をした県や市などへ確定申告不要制度を活用したい旨の申請を行うこと。
3)その年の12月31日までに「ふるさと納税」をおこなった自治体の数が5か所以内であること。
出典:『家計を元気にする 税金活用術 「節税」から「活用」へ』(湊 義和著/中央経済社刊)