連載 はじめてのPTA
PTAって違法なの?「#PTAやめたの私だ」に見る苦悩【はじめてのPTA 第1回】
また最近は、熊本で起きた裁判も注目を集めました。ある保護者が、PTAが任意加入であることを知らずに会費を支払っていたため、会費の返還を求めて裁判を起こしたのです。この裁判は和解に終わりましたが、これによって、PTAが任意加入の団体であることは、より多くの人に認識されることとなりました。
SNSなど、ネットが普及したことの影響も大きいでしょう。
じつはPTAの強制性については、過去何度も問題になったことはあり、声をあげる人もそれなりにいたのですが、各PTAのなかで、特殊な例として処理されていました。
■少子化、共働き世帯の増加… PTA担い手減少の現実
さらに、母親たちの状況の変化もあります。こちらは、専業主婦のいる世帯と共働き世帯の割合の推移を示したグラフですが、いまはこのように、共働き世帯のほうがだいぶ多くなっています。
(注)1.「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」とは、夫が非農林業雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯。
2.「雇用者の共働き世帯」とは、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯。
3.2011年は、東日本大震災の影響により、全国の調査結果が公表されていないため、掲載をしていない。
4.「労働力調査特別調査」と「労働力調査(詳細集計)」とでは、調査方法、調査月などが相違することから、時系列比較には注意を要する。
資料出所:1980~2001年は総務省「労働力調査特別調査」、2002年以降は総務省「労働力調査(詳細集計)(年平均)」を基に作成。
出典:厚生労働省 女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書
このグラフには含まれていませんが、ひとり親家庭も増えています。筆者もそのひとりですが、いまは母子家庭や父子家庭が増加しており、約7~8世帯に1つは、ひとり親世帯といわれています。
昔のように、子どものことやPTAに時間をかけられる、専業のお母さんは、だいぶ減ってきているのです。こういった時代・社会状況の変化を背景に、PTAは徐々に、時代に合わない部分が増えてきたのでしょう。
PTAや自治体(教育委員会・P連)によっては、こういった状況に対応すべく、PTAが任意加入であるということを前提に、組織や規約を修正する動きも出始めています。
では、あらためて、自動強制加入のPTAでは、具体的に何が問題となるのでしょうか? 実際に、どのような問題が起きているのでしょう? 次回は、この点について、もう少し詳しく掘り下げて、お伝えしたいと思います。
『PTAがやっぱりコワい人のための本』
(太郎次郎社エディタス/¥1,620)
そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
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