『隣の家族は青く見える』兼業、専業、時短…幸せのカタチ比べをする女性たち
■失業夫、責められて然るべき…?
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女性たちが悩みを抱える一方で、男性だってそれぞれに悩みを抱えていた。深雪の夫・真一郎(野間口徹)は、海外赴任ばかりの仕事がイヤになり、家族と一緒に過ごしたいとの思いから
早期退職に踏み切った。だが、深雪にそんな思いは1ミリたりとも届かず、「失業保険なんて商社時代の給料の半分以下なんだから。早く再就職してよね」と責め立てられる。
ただただ真一郎が不憫(ふびん)に思えてくるのだが、あらためて考えて見ると、家を買った直後に相談なしに仕事を辞めたという事実は大問題な気が…。何より「家族といたい」という理由で仕事を辞めると聞いて、深雪がそれを受け入れると思っていたことに驚いてしまう。それなら、条件に合う再就職先を見つけてから退職すべき。どうしてこんな単純な失敗をおかしてしまうのか、男って本当にわかってないのね、と思った女性も多いのでは。
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とはいえ、夫のピンチを助けるのは妻の役目。物語を観ている限り、深雪はお菓子作りやSNSに力を入れるなど、時間に余裕がありそう。それでも彼女の中に、「自分が働く」という選択肢は一切無い。おそらくそれは、彼女の思い描く
幸せのカタチとは違っているからだ。
自分のものさしを他人に押し付ける深雪は、自分自身のこともまた、1本のものさしでしか測ることができない。「夫はよい会社で働き、妻は育児をするべき」。そんな風に凝り固まった頭は、今後ほぐれることはあるのだろうか。
■松山ケンイチ、不妊治療の苦悩とは
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真一郎にはうらやましがられていた大器(松山)だが、本心は「子作りを意識してから全然楽しくなくなった」と調子が狂っていた。スタミナ料理が並び、栄養ドリンクを飲まされ、「タイミングを取りたいです」と業務連絡のように届くメッセージ。つい先日まで「子どもは自然とできるもの」と思い込んでいた大器にとって、この状況を受け入れがたいのもよくわかる。
そして奈々も、そんな大器の心情に気づいていた。不妊治療は“がんばれば必ず成果が出るもの”ではない。しかも、必ず相手がいなくては成立しない。自分一人ががんばれば結果につながるものと違い、体はもちろん、互いに精神的な負担が大きくなって当然だ。
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自分の考えを相手に押し付けてしまうことの不合理さ。
それに気づいている奈々と、まったく気づかない深雪は対照的。頭では奈々のようでありたいと願うが、実際の自分はどうだろうか。ドラマを観て、ふとそんなことを考えてしまうのだった。
奈々が渉(眞島秀和)と朔(北村匠海)のキスを目撃するという衝撃シーンで幕を閉じ、ますます展開が気になる『隣の家族は青く見える』。五十嵐夫婦が最後のタイミング法に挑む第3話は、2月1日夜10時から放送。
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