連載記事:苦手な人とうまく付き合う“境界線”の引き方
人間関係の境界線の引き方。悪意のない親切の対処法【苦手な人とうまく付き合う“境界線”の引き方 第1回】
ママ友の長話に延々と付き合わされたり、子育てに口を挟む義理の両親にうんざりしていたり。不快な思いをしているのに「自分さえ我慢すればすむこと」と問題から目を背け、
ストレスを抱え込んでいませんか? それは、人間関係の
「バウンダリー・オーバー(境界線越え)」が起こっている状態です。
“ココロとカラダをつなぐカウンセラー”として、24年間で2万4000件、のべ5万時間以上ものカウンセリング実績があり、
『人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方』(同文舘出版)を執筆した
おのころ心平さんに、ママたちがモヤッとする人間関係の境界線について、お話をうかがいました。
お話をうかがったのは…
おのころ心平さん
一般社団法人自然治癒力学校理事長。ココロとカラダをつなぐカウンセラーとして、これまで2万4000件、約5万時間のカウンセリング経験を持つ。経営者、アスリート、文化人など多くのクライアントのセルフケアを請け負っているほか、パーソナル医療コーディネーターとして病院や治療法、医療選択もサポート。セミナー・講演回数は年150回を超える。
・オフィシャルブログ
■人間関係の“境界線”を越えてくる人々「これって親切? それとも…」
「バウンダリーとは、
自分と他人との間の境界線を指す心理学の用語です。例えるなら
車の一時停止線のようなもので、状況によって線を超えざるを得ない場合もあるし、手前で止まった方がいい場合もある。とても曖昧(あいまい)だからこそ、そこには上下関係・地位・経済力・押しの強さや弱さなど、人間関係の
パワーバランスが入り込んできます。
私のところには、家庭や会社、ママ友、近所付き合いなどさまざまな人間関係の中で
バウンダリー・オーバー(境界線越え)を起こしてしまい、それが原因で体を壊した方がたくさん相談にいらっしゃいます」とおのころさん。
まずは、バウンダリー・オーバーの典型的な例をあげてみましょう。
1.妻が夫の脱ぎ散らかした洗濯物を片付ける。
2.親が子どもの宿題を勝手にやる。
3.ママ友の愚痴に毎日のように付き合わされる。
4.義理の母がアポなしで押しかけてくる。
5.上司が部下に上から目線のアドバイスをする。
いずれのケースもお互いに納得しているならOKですが、不快な思いをしている人がいればそれはバウンダリー・オーバー。一方が、もう一方の
領域に踏み込んでいる状態です。
1.〜2.は責任のバウンダリー・オーバー、3.〜5.は感情のバウンダリー・オーバーといえます。