連載記事:夫にイライラするのはどうして? 脳から科学する“妻のトリセツ”
「俺のごはんは?」育児でヘトヘト妻の“怒りの地雷”を踏む夫の一言【夫にイライラするのはどうして? 脳から科学する“妻のトリセツ” 第2回】
■そこら中にある「妻の地雷」踏まない方法は?
――では、地雷を踏まないための、会話のコツを教えていただけますか?
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黒川さん:
前回で述べたように、女性は「共感」の生き物です。妻にはとにかく共感し(共感のフリでもOK)、ねぎらいの言葉をかけることが大事。
具体的なシチュエーションを想定して、NGとOKをご紹介しましょう。
●子育てについて:「○○ちゃんが寝ない、体重が増えない」と妻が言ったら…
NG:「抱き方を変えては?」「母乳が足りてないのでは?」など原因や解決策を提示するのはダメ。ただでさえ妻は育児がうまくいかないことに対して、自分を責め腹を立てているからです。
OK:アドバイスの前に、妻がどんなに大変だったかを、心を寄せてしっかり聞いてあげましょう。
「えっ! 1日、そんなだったの? そりゃ、たしかに心配だね」「心細かったでしょ」「つらかったよなぁ」「ひとりで大変だったね」と声をかけてあげればいいのです。
「僕が帰ってきたんだから、しばらく横になってて」と休憩時間をあげるのもいい方法です。
●家事について:つわりで苦しみ、子育てに追われ、妻が思うように食事が作れなかったり、片づけられなかったら…
NG:「ごはん、ないの?」「俺はコンビニで弁当買ってくるからいいよ」というのは厳禁。
OK:「大変だったね」と共感したうえで、「心配するな! 俺が何とかする!」と冷凍うどんで、簡単な一品でもつくってあげましょう。
つわりのときは、ごはんの匂いがつらいという妊婦さんは多く、冷凍うどんは意外に救世主。アツアツのうどんに生たまごをからめる釜玉うどんや、「冷たいうどんに、かつお節とスダチやレモンをかけておしょうゆで」を試してみて。
ただし、人それぞれ食べられるものが違うのが、つわりというもの。トンカツしか食べられなかった、なんていう人も。希望を聞いてあげることも大事です。
「夜中に、私の食べたいあずきバーを買いに、コンビニまで走ってくれた」なんていう体験は、夫婦の絆になるかも。
上記のようにふるまえば、妻の脳には「本当につらかった時期に、優しく寄り添ってくれた夫」としてインプットされるのです。
――とにかく共感ですね。ただ、共感に慣れていない男性は、少々面倒だと感じるかもしれません。
黒川さん:でも、妻に一晩中しくしく泣かれ、20年、30年たっても恨まれ、罵倒され続けるよりはマシ、と考えてみては? そして「妻が母乳をあげている間だけは、我慢、我慢…」と呪文のように唱えてみてください。
今だけ、というか、今が肝心なのですね。連載
最終回では、夫婦が仲良く連れ添えるコツをおうかがいします。
参考図書:
『妻のトリセツ』(講談社+α新書)
いつも不機嫌、理由もなく怒り出す、突然10年前のことを蒸し返す……。ベストセラー『夫婦脳』『恋愛脳』の脳学者が、理不尽な妻との上手な付き合い方を、「あるある」な事例と供に紹介した指南書。
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