■がんにかかるお金のベースは「公的保障」
そして、もう一つ知っておいて欲しいことは、
公的保障のことです。私たちの生活は、がんに限らず、さまざまな場面で公的な制度でカバーされています。
がんにかかるお金も、「公的保障」をから考え始めてみると良いかもしれません。
<がんの経済的リスクに備える方法>
© naoko kuroda
この時に大切なことは、制度やしくみを知っているかどうかがです。制度やしくみを簡単にまとめました。今は、「検索キーワード」を知っているかが大切ですね。
【困ったときに利用できる公的制度】
●がんの医療費で困ったとき
・公的医療保険のしくみを理解する
・各種公的医療費助成制度
・国民健康保険の自己負担減免制度
●がんの医療費が高額になったとき
・高額療養費制度
・高額介護合算療養費
・組合健保(付加給付)
●お金(医療費や生活費)を借りたいとき
・高額療養費貸付制度
・生活福祉資金貸付制度
●がんで休職したとき
・傷病手当金
●がんで失業したとき
・雇用保険の基本手当
●がんで障害が残ったとき
・障害年金
・身体障碍者手帳
●医療費を税金で取り戻したいとき
・医療費控除
●とにかく生活に困ったとき
・生活保護
■「ママの保障を見直ししすぎない」ことも大事
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前の図のとおり、がんの経済的リスクに備える方法は、
「公的制度」→「預貯金」→「民間保険」です。けれども、30代で預貯金が充分にある人は少ないでしょう。そんな場合は、民間の保険加入について、どんなふうに考えたら良いのでしょうか?
「妊娠・出産で、保障の見直しをするご家庭はとても多いですよね。よくあるパターンは、『パパの死亡保障を手厚くしたい』『子どもの学資保険に加入しておきたい』というケース。
それ自体はまったく悪いことではないのですが、その分の保険料をどこから捻出するか? というときに、ママの保障を減らして、つまりママの保険を見直ししすぎてご自身がノーマークになってしまう方も多いんです。私は、
『ママの保険を見直ししすぎないで!』と、お伝えしています」(黒田さん)。
■ママのがんが心配なら
ママの保障を見直ししすぎない。一理ありますね! 「もしも…」ということも頭を片隅に置いて、安い掛け金の保険でちょっとした備えをしておくのもアリかもしれません。
最後にそんなニーズにフィットする保険を3つご紹介します。
▼がんに備えるおすすめ保障
●「アクサダイレクトのがん定期」/アクサダイレクト生命(株)
(月額保険料920円 保険料払い込み期間10年)
保険料を抑えて、一定期間のがん保障を確保したい人向き。がん入院給付金日額1万円の場合、初めてがんと診断されたら100万円もらえる。
●「女性のためのミニがん保険980」/医師が考えた少額短期保険(株)
(月額保険料980円)
とくに女性特有のがんを手厚くしたい人向け。乳房、子宮、卵巣がんと診断された場合、80万円の診断一時金が受け取れる(それ以外のがんの場合は50万円)
●「メディフィットEX」/メディケア生命(株)
(通院時代のおくすり保険)(月額保険料935円 ※3疾病タイプ)
入院よりも通院保障を確保したい人向き。乳がんになってホルモン治療を5年間続けた場合(1か月処方)、最大で300万円もらえる(抗がん剤治療給付金額月額5万円の場合)。がん以外の3疾病または9疾病の薬も保障。
※保険料は、『30歳女性・2019年6月時点』にて試算
いかがでしたか? がんは、わずかな知識と行動で、大きく運命を変えられる病気です。
この連載を通じて、それが少しでも伝わるとうれしいです。
■今回のお話を伺った黒田尚子さんのご著書
『がんとお金の本』
黒田尚子さん/ビーケイシー(1,620円(税込))
●黒田尚子(くろだ なおこ)さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。2009年乳がん告知を受け、2011年に乳がん体験者コーディネーター資格を取得。自らの実体験をもとに、がんをはじめとした病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行う。
現在は、各種セミナーや講演・講座の講師、新聞・書籍・雑誌・Webサイト上での執筆、個人相談を中心に幅広く行う。
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