本記事は、2021年1月頃の体験談です。時期や地域、ウイルスの種類によって対応が異なる場合があり、すべてのケースに当てはまるものではありません。感染した際は各自治体のルールに基づいて行動してください。
■前回のあらすじ
夫のコロナウイルス感染が発覚。軽症と診断されましたが、戦々恐々とした日々を送ることになり…。
夫が体調を崩してすぐ、部屋を分けたりはしたものの「いつもの風邪なんじゃないか」と思っていたし、夫がPCR検査を受けたあとも「陰性が出るまでの辛抱だ」と思っていました。
そんな具合でしたから「陽性だった」と夫からメッセージが入ったときは、しばらく子どもたちの声が耳に入ってきませんでした。
基本的に家族以外と会うことはなかったので、この時期に接触があったのは子どもたちの通う幼稚園、保育園のみでした。園にはすぐ連絡をいれましたが、電話越しに若い先生が思わず「ヒッ…」と怯えた声を出したのが聞こえて「とんでもないことになってしまった…」と頭が真っ白になりました。
その後、私たちも検査を受けに病院に向かいましたが、子どもたちの検査結果が出るまで気が気ではありませんでした。
その夜はご飯を作る気力がなく、ストックしてあったレトルトカレーを出したら、子どもたちがえらく喜んで「おいしいねぇ、おいしいねぇ」とニコニコ笑っていて。
それに少しだけ救われた気持ちになったのを思い出します。
「陽性」の結果が出たものの、軽症ということで自宅療養になった夫。この発症後2、3日あたりの症状が1番きつかったように思います。高熱と強い倦怠感から食事がとれず、聞き取れないほどの声枯れをしていました。
家庭内で隔離をしていたので、コミュニケーションは基本、テレビ電話でとっていましたが、夫の具合が悪いときはドア越しに様子を伺うことしかできず、状態が分からないことがまた不安を募らせました。
自宅待機中、お世話になったものといえば「ネットスーパー」。日頃から利用していて、使い勝手はわかっていたのでストレスもなく、いつも通りの食生活を確保できることへの安心感は大きかったです。
あとできることと言ったら「バランスのいい食事をとって、よく寝る!」これくらいでした。
※ここに記載したことはすべて、当時のわが家のケースです。時と場合によって、また、住んでる地域や条件等で対応は異なりますので、あくまで一例としてご覧ください。
参考:新型コロナウィルス感染症 陽性だった場合の療養解除について(PDF)
自宅療養の生活が1週間ほど続いた頃、軽症者ホテルに空きが出て入室できることになりました。基本的にホテルでの生活も「部屋に閉じこもって療養」なので自宅療養と変わりません。ただ、ホテルの部屋は木造の自宅より暖かく、シャワーやトイレを気を遣うことなく使える環境は思った以上に快適だったそう。
また、常駐の看護師さんが毎日、電話で温かい言葉をかけてくれて、それが励みになったと夫が話していました。大変お世話になり、ありがとうございました!
退室日は車でホテルまで、夫を迎えにいきました。感動の再会…といきたいところですが、家に帰ってひと通り消毒をしてから「無事でよかった!」と家族みんなで抱きあいました。夫とまともに向かい合ったのはおよそ10日ぶりのことでした。
子どもたちの園には、状況が変わるたびに連絡をいれていましたが、自宅待機期間や解除基準についての理解は一般的に浸透してはいないし、私の説明だけでは受け入れる側として不安なところはあっただろうなと思います。
「コロナ差別」もある中、理解を示し子どもたちをあたたかく迎え入れてくださった先生方には本当に感謝しています。
復帰してしばらくしてから、夫の嗅覚が弱くなっていることが判明しました。後遺症です。肺周りの筋肉がうまく働いていない感覚もあったそうです。
※本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
※この体験記の時期とは、ウイルスの種類や感染力も変化している可能性があります。最新のウイルスの情報や、感染予防対策をご確認ください。
参考:
新型コロナウイルス感染症について/厚生労働省
次回に続く「ウチのコロナの話」(全3話)は17時更新!
※掲載内容に誤りがありましたため、2021年9月24日に訂正いたしました。