なぜ学校の「色覚検査」はなくなった? “色覚異常”や“色覚障害”から呼び方も変化、理由を眼科医が解説
しかし、色覚多様性のある方々も、その後の生活経験によって『条件が良ければわかる』『何となくわかる』などの適応を得ることが多いです。色覚多様性は、多くはそれほど問題がないにもかかわらず、過剰に差別を受けるなどの原因になってきました。そのため、21世紀に入って学校における色覚全例検査は廃止されました。しかし、生活上の困難もあり得ることから、自らの状態を知っておくべきとして任意検査で行われるようになりました」
――大手予備校・河合塾では、色覚多様性に配慮し、板書の際に「赤・蛍光赤チョーク」の使用が不可に。ほかにも、色覚特性の生徒に向けた「色覚チョーク」というものも作られているようです。色覚多様性があると、教育の現場ではどのような不具合が生じるのでしょうか。
「黒板の色は、実際は黒ではなく緑。緑の背景に赤チョークは、緑と赤の違いがわかりにくい色覚多様性の方にはたいへん見にくいものになります。
ただ、そもそもコントラスト差が高くないので、色覚多様性がない方々からも見にくいといった意見もあったようです。多色で授業をしたい先生は少し困るかもしれませんが、そもそも無くていいものだったのかもしれません。