くらし情報『黄八丈「八丈島の自然と歴史が刻まれた染織」山下芙美子さん&誉さんに会いに。前編【ENcounter vol.1】』

2015年10月3日 12:00

黄八丈「八丈島の自然と歴史が刻まれた染織」山下芙美子さん&誉さんに会いに。前編【ENcounter vol.1】

芙美子さんが黄八丈を織られている時は、どんなことを考えられているのでしょうか。

織っているときは、考えないのが一番。無心でないといけないんです。よく機織りをする人が、これはどういう人が着てくださるんだろうって思いを込めて織るっておっしゃるけど、私は工房で機織りする子たちにも、「とにかく無心で織って」と伝えています。つまり、思いを込めるのは、お求めになったお客さまなんですよね。着物なんて、記念の時や、何かある時にしか作らないですよね。着物って、晴れの日のものですよね。だから「この着物はあの時に作ったものだ」という思いは、お客さまが込めるべきものであって、作り手が込めるものではないと思っているんです。
だから無心で織って頂戴と伝えています。

ー先程、見せて頂いた芙美子さんの作品では、黄八丈の基本色と中間色を組み合わせたグラデーションの色柄がありました。微妙にトーンの異なる色でグラデーションを織るにあたって、染色の実験などもされるんでしょうか。

いや、全然しないですね。誉さんが庭先で糸を染めているところを見て、使いたい色があったらそこから抜いてしまいます。「もういいよ、これで使うね」と声をかけて。

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