長く守り伝えられてきた“もの”に宿る美、ブランドPR関根千園の骨董コレクション【INTERVIEW】
―ものに対する日本人の価値観は今後どのように変化していくとお考えですか?
人って不思議のもので、便利なものを追求するために突き進み過ぎると、手のぬくもりを感じるものが恋しくなったりするんです。これまでの価値観では、新しいものと古いものではどちらが良いかって二者択一をしがちでしたが、これからは両方がそれぞれに存在する時代になるんじゃないかな。ファッションについてもそんな気がします。どっちが良いか悪いかではなく、全く違うものとして価値を見いだし始めているのではないかと思いますね。
骨董との出会い、母との思い出
―骨董品の蒐集には、いつ頃から興味を持つようになったんですか?
私が骨董品と出会うきっかけを与えてくれたのは母でした。母は日本の骨董品が大好きで、幼い頃から私を骨董品屋さん巡りに連れて行ってくれたんです。最初の頃は、まだ骨董の良さというものがよく分からず、母はなんでこんなに古いものが好きなんだろうって思っていたんですけど。
母は骨董品自体の価値には興味がなく、見た目が好きか嫌いかを購入の基準としていました。
専業主婦であった母は決して贅沢などしませんでしたが、「本当に好きだったら買った方がいいのよ」