2017年1月20日 19:00
テクニカルにクラシック回帰、鮮明に。ポール・スミス「PS」、キートン創業者のイベントも【ピッティウオモ91】
前述したが、今回のピッティで目立ったのが、世界的なファッション市場の流れがライフスタイルへ向かっていることから、アイテム、トレンドの提案以上にブランドのDNAを再確認、最訴求する動きが強まっている。同展の公式イベントとして行われたキートン(Kiton)のファウンダーであり、現在のイタリアブランドのファッションシステムを誕生させた功労者としてチロ・パオーネ(Ciro Paone)の特別イベント「TWO OR THREE THINGS I KNOW ABOUT CIRO(チロに関する2つか3つの知っていること)」が開催された。同イベントでは、洋服はキートンを代表するスーパーファインウールのネイビージャケットをサイズ違いで展示するだけにとどめられた。それ以外の展示セクションでは、ファッションのアイデアが生まれる現場であったチロ本人の食卓、生地が裁断される現場の匂い、アイロンの蒸気、端布が散乱した床などをインスタレーションで展示するなど、ナポリが生んだイタリアを代表するファッション企業家の人生をフィレンツェらしいアート表現で称えた。同イベントのアートディレクションを担当したアンジェロ・フラッカヴェント(Angelo Flaccavento)