2017年9月15日 16:00
伝統から進化へ、ラグジュアリーの技術を伝承する「フランス人間国宝展」が開幕
のビッグサイズの作品、J・P・ゴルチェ、ニナ・リッチ、シャネルなどを顧客に持つ羽細工アーティストのネリー・ソニエ(Nelly SAUNIER)のファンタジー溢れる作品なども間近で見られる。ソニエは今回のイベントのメセナ支援を行ったベタンクールシュエラー財団が支援する京都のヴィラ九条山に2015年に滞在し、制作活動を行った経験もあり、今回の来日では「日本で羽根を扱う職人を探してみたい」と笑う。
またエンボス加工を展示した部屋では日本の特殊加工紙「パチカ」を使用した視覚障害者のための絵本や建築解説本などを制作し、エンボス加工のイノベーションを実践するロラン・ノグ(Laurent NOGUES)、中世からの技術を受け継ぐ紋章彫刻の第一人者のジェラール・デカン(Gerard DESQUAND)を紹介している。デカンは今回初の試みとなるガラスの表面に動物の刻印を施した作品を制作。「世界的に絶滅危惧種の動物が減少していく事実を知り、今から6000年前メソポタミア文明の頃に作られていた金属の小さな印章彫刻に取り組んでいたが、それをもっと大きな作品で見てもらえるようにガラスの素材に取り組んだ。各2頭描かれている動物は、2頭居れば3頭になり次につながるという、我々職人と弟子の関係を表現した」