パリジェンヌと開花した日本人イラストレーター【MY LITTLE PARIS2/2--Kanako】
後から聞いたところ、ファニーからイラストレーターを探すように頼まれていたアマンディーヌが、たまたま持っていた私のポストカードを見て思い出してくれたらしいのです。今考えると、私の人生を完全に変えてしまった仕事がこんな風に始まったなんて、おとぎ話みたいに感じます。
――このビジネスが成功すると思っていましたか?
今でもファニーに「こんな風になると思ってた?」と聞くことがあるんですが、ファニーもここまでは予想していなかったみたい。私はとにかく夢中でここまで来ました。実は、最初の1年間は無休で働いたのですが、その時が一番楽しかったように思います。“お金をもらっていないのにこんなに楽しいなんて、自分によほど楽しいに違いない”と脳が納得してしまっていたのかも。フランス語もほとんど分からない状態だったんですよ。
――最初は3人だけでしたね。
3人だけだった当時はファニーのアパートで週1回、ピザを食べながらミーティングしていました。今が三つ目のオフィスで、ここに来て初めて思い描いていた環境が実現しました。こんな良い環境、フランスでもめったにないですよ。壁にも絵を描かせてもらえて、イラストレーターとしても嬉しいです。