「恵比寿映像祭」が美術館を飛び出した!ターナー賞作品も登場
らの作品も見逃せない。
一方では、国内アーティスト陣も華やかな顔ぶれを見せた。日本を代表する写真家ホンマタカシが人間に内在する「野性」にフォーカスした新作インスタレーション「最初にカケスがやってくる」を発表する他、恒例のオフサイト展示では、新進映画監督・瀬田なつきによる街を舞台にした短編映画シリーズ「5windows」より、新作2本を加えた計7作品が点在する会場で上映される。作家が提起する、リアルタイムな「場所」を起点とした映像体験に期待が高まる。
その他、名作アニメ映画『AKIRA』など稀少な35mmフィルムによるSF映画の爆音上映決定、現在のメディアに大きな影響を与えた雑誌『ホール・アース・カタログ』に焦点をあてたYebizoラウンドテーブルの開催、各会場を緩やかに結ぶガイドツアーやスタンプラリー実施など、意欲的なプログラムが多数組まれた。
人工衛星のとらえる世界中の映像がリアルタイムで配信され続ける現在、細分化した映像情報へのアクセスは容易化する一方で、複層化の一途をたどる世界の全貌を捉えることはもはや困難となりつつある。この現状を前にし、今回の映像祭は「視点を変える」ことをキーワードに据えた。