1999 年に写真集『東京郊外』(光琳社出版)で第24回木村伊兵衛写真賞を受賞し、国内外で活躍を続ける写真家・ホンマタカシ(1962年、東京都生まれ)の、日本の美術館では約10年ぶりとなる個展が、10月6日(金)から2024年1月21日(日)まで、東京都写真美術館で開催される。2011年から12年にかけて、国内3館を巡回した大規模個展「ニュー・ドキュメンタリー」では、ホンマの写真と映像表現の広がりを概観する新旧作品が展示されたが、今回の個展は、この10年あまりに制作された近作や新作を紹介するもの。作家の現在地を示すとともに、その表現の可能性を探る試みとなる。同展の中核をなす出品作品〈THE NARCISSISTIC CITY〉は、カメラの原型と言われるカメラ・オブスクラ(「暗い部屋」の意)の原理に着目したホンマが、近年取り組んでいるシリーズだ。小さな穴を通過した光によって、屋外の風景が室内に倒立像となって映し出される原理を用い、建築物の一室をピンホールカメラに仕立てることで、世界各地の都市を撮影した。外に向かって開かれた穴から差し込む光によって、真っ暗な部屋の中に倒立した都市の風景が「即興的に」描き出されるのが、同シリーズの魅力のひとつだ。展覧会名でもあるこの「即興」という言葉がひとつのキーワードとなる同展では、他の作品や展覧会自体にも偶然性が取り入れられているという。なお、作品内に文字として現れる「Revolution 9」は、イギリスのロックバンドのビートルズが様々な音源を元にコラージュのように制作した同名曲へのオマージュとして捧げられているといい、これが同展の英文タイトルとなっている。葛飾北斎の《冨嶽三十六景》に着想を得て、〈THE NARCISSISTIC CITY〉と同手法で富士山を写した〈Thirty-Six Views of Mount Fuji〉のシリーズなど、計約 50 点の写真作品からなる同展だが、今回は1階ホールにおいて、新作を含む映像作品も特集上映される。ホンマが講師を務める連続ワークショップやトークなども予定され、作家の「今」に迫る展覧会となっている。<開催情報>『即興 ホンマタカシ』会期:2023年10月6日(金)~2024年1月21日(日)会場:東京都写真美術館2F展示室時間:10:00~18:00、木金は20:00まで(入場は閉館30分前まで)休館日:月曜(祝日の場合開館翌日休)、12月29日(金)~1月1日(日)料金:一般700円、大学560円、高中・65歳以上350円※2024年1月2日(月)、3日(火)は無料。開館記念日のため1月21日(日)は無料公式サイト:©Takashi Homma Courtesy of TARO NASU
2023年09月25日デビュー作にしてカンヌ国際映画祭批評家週間のクロージング作品に選ばれ、東京フィルメックス審査員特別賞など、世界を驚かせた中国新世代のグー・シャオガン監督作『春江水暖~しゅんこうすいだん』。2月11日(木・祝)からの日本公開を前に、シャオガン監督から日本の観客に向けたメッセージ動画が到着した。『ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ』のビー・ガン監督や、『象は静かに座っている』の故フー・ボー監督など、近年世界が注目している中国新世代の監督。彼らと同世代のグー・シャオガン監督のデビュー作となる本作は、2020年仏の老舗誌「カイエ・デュ・シネマ」映画トップ10で第7位、中国映画で唯一&デビュー作で唯一ランクインし、世界中を驚かせた。山水画の傑作「富春山居図」にインスピレーションを得たという絵巻を広げていくような横移動スクロールの超ロングテイクや、壮大なロングショット、四季をとらえた映像美で、激動の中国を生きる市井の大家族を描いている。この度、そんな本作のシャオガン監督から日本の観客へのメッセージ動画が到着。監督自身が「とても素晴らしい!」と感激したという日本版ポスターを背景に、「みなさん こんにちは」と日本語でも挨拶。映画について、「山水画の美学で描いた家族の映画で人生と万物の四季についての物語」と語り、コロナ禍にある日本の観客を気遣って「平和と健康と幸せ」を祈るとコメント。最後は「よろしくお願いします」と日本語で締めくくっており、監督の朴訥とした雰囲気にも引き込まれる。まさに山水絵巻!著名人からもコメント続々さらに本作には各界の著名人からのコメントが到着。シャオガン監督と同世代で、先日ZOOM対談も行った最新作『ヤクザと家族 The Family』の藤井道人監督は「変わりゆく社会を、家族という普遍から描いた傑作。一生に一本の映画になりました」と語り、写真家で映画監督のホンマタカシは「2020年No.1に決定」、脚本家の向井康介は「本当に信じられない。これがある若い映像作家のデビュー作だとは……」と唸るなどまさに絶賛続々。上海出身・日本で育ったミュージシャン・王舟は「爆竹の喧騒と人々の哀愁の外に広がる雄大な自然風景。俯瞰的なカメラワークと音楽が重なった相乗効果から、現代中国の市井の人々の物語を見ているのに、悠久な時間の流れに身を置いているような気持ちになった」とコメントを寄せている。『春江水暖~しゅんこうすいだん』は2月11日(木・祝)よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:春江水暖~しゅんこうすいだん 2021年2月11日よりBunkamura ル・シネマほか全国にて公開
2021年02月08日ドキュメンタリー映画『建築と時間と妹島和世』が、2020年10月3日(土)より、全国の劇場にて順次公開される。大阪芸術大学に「丘」ができるまでの3年半の記録映画『建築と時間と妹島和世』は、金沢21世紀美術館やルーブル美術館ランス別館などを手掛け、建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した建築家・妹島和世が、大阪芸術大学アートサイエンス学科の新校舎を設計、建築していく様子を記録したドキュメンタリー。大阪芸術大学アートサイエンス学科は、「アートサイエンス」という新しいジャンルの名称が、学科名として文部科学省から初めて正式に認可された場所。新校舎では、アートとサイエンスとテクノロジーを柔軟に連携させてこれまでになかった研究や教育を行い、新たなクリエイターを育てていく。クリエイターの卵たちの学び舎に相応しい場所として、妹島が目指したのは、誰もが立ち寄れる見晴らしのよい丘の上の“公園のような建物”。学生たちの未来が育まれる校舎を、妹島がどう作り上げていくのか。新校舎の構想から完成までに費やした3年6か月を追い、1人の建築家がひとつの建築に向き合う姿を鮮明に描き出す。豪華クリエイターが集結監督・撮影は写真家ホンマタカシ映画に関わる豪華クリエイター勢にも注目だ。監督・撮影は、ル・コルビジェ、丹下健三など数々の建築物を撮影してきた写真家・ホンマタカシ。1990年代から妹島建築を撮影しているホンマが、彼女が手掛ける建築の魅力を、映像によって浮かび上がらせる。またポスターデザインは、グラフィックデザイナーの長嶋りかこが担当した。音楽は、Srv.Vinci の元メン バー・石若駿さらに音楽は、ジャズ・ドラマーの石若駿が担当。King Gnu の前身となった Srv.Vinci の元メンバーであり、くるりのサポートメンバーとしても活躍している彼が、本編に心地の良いリズムをもたらしている。【詳細】映画『建築と時間と妹島和世』公開日:2020年10月3日(土)ユーロスペース他にて全国順次公開監督・撮影:ホンマタカシ出演:妹島和世製作:大阪芸術大学Copyright 2020 Osaka University of Arts. All Rights Reserved.
2020年08月14日6月2日(火)より再開した東京都写真美術館の2F展示室では、90年代以降のファッション写真にフォーカスする『写真とファション 90年代以降の関係性を探る』が7月19日(日)まで開催されている。ファッションが流行する過程において、衣服が持つ魅力を伝える重要な役割を担ってきた「写真」。写真によって作り出されるイメージは、時には衣服そのものよりも人々を惹きつけ、時代を象徴するイメージとなった。同展は、そんな「写真とファッション」をテーマに、1990年代以降の写真とファッションの関係性を探るもの。長年にわたり文化誌『花椿』の編集者としてファッションやアートの世界を見つめてきた林央子(はやし・なかこ)氏が監修を手がけ、数多くのファッション写真に携わってきたアンダース・エドストロームや髙橋恭司の写真作品をはじめ、仏ファッション誌『Purple』の発行人エレン・フライスと前田征紀、新進気鋭のファッション・レーベルPUGMENTとホンマタカシによる新作コラボレーション作品など、写真、映像、インスタレーション約80点におよぶ多彩な表現を紹介する。独自のスタイルを確立し、現在も第一線で活躍するアーティストたちの創造の源泉に触れることができる同展。90年代のファッションが再び注目を集める今、ファッションの転換点となった時代をひもといてみてほしい。【開催情報】『写真とファション90年代以降の関係性を探る』7月19日(日)まで東京都写真美術館にて開催【関連リンク】 東京都写真美術館( https:// www.topmuseum.jp)《Tokyo Girl》〈The Mad Broom of Life〉より 1992年 作家蔵 (c)Kyoji Takahashi, courtesy of nap gallery《Ici-bas (In this lower world)》 2019年 作家蔵 (c)Elein Fleiss《Spiritual Discourse》 2020年 作家蔵 (c)Yukinori Maeda, courtesy of Taka Ishii GalleryPUGMENT×ホンマタカシ〈Images〉より 2019年 作家蔵 (c)PUGMENT/(c)Takashi Homma
2020年06月10日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿・外苑前のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介。■『Purple #32 The Cosmos Issue』小さなインディペンデント・マガジンからスタートし、今やビッグネームが名を連ねるファッション、スタイル、カルチャーのアバンギャルドなリファレンスにまでなった『Purple』。今回の最新号では、コスモス(宇宙)をテーマに、アーティストのジュディ・シカゴ(Judy Chicago)、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)、トーマス・デマンド(Thomas Demand)、ダグ・エイトケン(Doug Aitken)、トム・サックス(Tom Sachs)、フィリップ・パレーノ(Philippe Parreno)らが参加。さらにはクリストフ・ガルファール(Christophe Galfard)、フェリックス・ガタリ(Félix Guattari)らの科学に関するテキストも取り上げる。ティム・エルカイム(Tim Elkaïm)、カミーユ・ヴィヴィエ(Camille Vivier)、ユルゲン・テラー(Juergen Teller)、ホンマタカシらの写真も見どころ。【書籍情報】『Purple #32 The Cosmos Issue』出版社:Purple Institute言語:英語ハードカバー/497ページ/330×240mm発刊:2019年価格:4,900円(為替により変動)■Shelfオフィシャルサイトで『Purple #32 The Cosmos Issue』を購入する
2019年10月05日ワンダーウォール(Wonderwall)の創設者及び代表であり、武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科 教授の片山正通による、学生から社会人まですべての人に向けて送るメッセージブック『片山正通教授の「仕事」の「ルール」のつくり方』が、9月12日に発売された。片山正通が、武蔵野美術大学に新米教授として着任した頃に「僕がいま大学生だとして、どんな話を聞いたら、これからの人生が有意義な時間になっていくだろう?」と自分に問いかけたことがきっかけで、企画・開催をスタートした特別講義「インスティゲーター(instigator)」。2011年のスタートから、これまでに23組のゲストを迎えた。扇動者という意味を持つ“instigator”。今回発売された書籍『片山正通教授の「仕事」の「ルール」のつくり方』では、編集者・都築響一、ミュージシャン・アーティストのトータス松本、チームラボ代表・猪子寿之、映画監督・是枝裕和、写真家・ホンマタカシら、インスティゲーターたちが、子ども時代や学生時代をどのように過ごしたのか、どんな転機を迎え、どう苦難を乗り越えたのか、そしてなぜ独自性の高い作品を世に生み出し続けることができるのかといった密度の高い講義内容を収録。会場に集う約500人の学生たちが発する熱気をも感じられる内容となっている。ジャンルの異なるそれぞれのインスティゲーター達が話してくれた赤裸々な真実を聞いて、何かを学び、やりたいことを見つけ、実践したいという気持ちになるのは、きっと学生達だけではないはず。社会人としてすでに世に出ている人も、自分とは違う成功者の話だと思ったら大間違い。失敗や苦労の連続の中であがいてきたからこその「今」を伝える本書籍は、どんな自己啓発本よりもパワフルかもしれない。片山がキャリアをスタートした頃、仕事に恵まれず苦労した時期をどのように切り抜けたか、当時自分に課したルールにも本書で触れている。この本が、たくさんの人の一歩前に進む一つのきっかけになれたら。そんな片山の思いが詰まった一冊を手にとってみては。【書籍情報】『片山正通教授の「仕事」の「ルール」のつくり方』出版社:マガジンハウス四六変版、314頁発刊:9月12日価格:1,400円
2019年09月17日東京 2020 組織委員会は、「東京 2020 公式アートポスター・プロジェクト」において、東京 2020 オリンピック・パラリンピック公式アートポスターを制作するアーティストを決定した。浦沢直樹(漫画家)オリンピックをテーマとする作品の制作者は11人。漫画家の浦沢直樹、画家の大竹伸朗、グラフィックデザイナーの大原大次郎、書家の金澤翔子、アーティストの鴻池朋子、グラフィックデザイナーの佐藤卓、美術家の野老朝雄、写真家のホンマタカシ、アートディレクターのテセウス・チャン(Theseus Chan)、写真家のヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)、アーティストのフィリップ・ワイズベッカー(Philippe Weisbecker)が選出された。そしてパラリンピックをテーマとする作品の制作者は8人。漫画家の荒木飛呂彦、書家の柿沼康二、グラフィックデザイナーのグーチョキパー(GOO CHOKI PAR)、アーティストの新木友行、美術家の野老朝雄、写真家・映画監督の蜷川実花、美術家の森千裕、画家の山口晃に決定した。公式アートポスターは、国内外のアーティストにオリンピック、またはパラリンピックをテーマにした芸術作品を制作を依頼し、それらを東京 2020 大会のポスターとして活用していくもの。20世紀初頭から、各大会の組織委員会が、オリンピックというスポーツ・文化イベントへの認知と理解を促進するために制作してきた。各大会の特色を世界に伝える役割も果たし、近年ではパラリンピックのポスターも含め国際的に活躍するアーティストやデザイナーを起用し、各大会の文化的・芸術的レガシーとなる作品を制作。その中からは、時代のアイコンとなるような作品も生まれているという。
2019年08月01日写真展「三井本館Mitsui Main Building TOKYO 1929-2019|写真・ホンマタカシ」が、三井本館合名玄関および日本橋三井タワーに2019年6月8日(土)から7月21日(日)まで開催される。「三井本館Mitsui Main Building TOKYO 1929-2019|写真・ホンマタカシ」は、重要文化財・三井本館の開館90周年を記念した無料展示イベント。世界的写真家のホンマタカシが撮影・編集を行った写真や映像を通して、三井本館の歴史を辿ることができる。高さ約3メートル、幅約2メートルのパネル4台の写真が展示されたり、8.4メートル四方の巨大写真が2枚、三井本館外壁に掲出されたりと、ホンマタカシのダイナミックな意欲作を楽しめる。外壁の巨大写真は、三井本館の90年前の姿を収めた過去の写真をホンマが独自の視点から再撮影した作品だ。また、会期中は、日銀通りに面する合名玄関の中も観覧可能。大理石の重厚なインテリアなど、当時の佇まいが残る空間の中に入ることができる。さらに、建物の周囲には色とりどりの花々を装飾し、日没から23:00までは、光を用いたアートを手掛ける美術家・高橋匡太のデザインによるライトアップを実施。夜に映える三井本館の姿も楽しめる。【詳細】三井本館Mitsui Main Building TOKYO 1929-2019|写真・ホンマタカシ会期:2019年6月8日(土)~7月21日(日)休展日:6月10日(月)、6月12日(水)、6月24日(月)、6月25日(火)、7月8日(月)展示開催時間:・日本橋三井タワー 1階アトリウム 10:00~20:00・三井本館合名玄関 11:00~17:30※6月8日(土)のみ、両会場とも14:00~20:00。※いずれも無料で鑑賞可能。問い合わせTEL:ハローダイヤル 03-5777-8600(8:00~22:00/会期中)■ライトアップ 開催概要会期:2019年6月8日(土)~7月21日(日)時間:日没時間〜23:00
2019年06月07日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿・外苑前のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介。■『Trails』ホンマタカシ日本人写真家、ホンマタカシの作品集『Trails』には、北海道の知床国立公園で狩猟された鹿の血の痕跡(trails)が、影を感じさせながらも美しく綴られている。儀式的に描かれた痕跡か、それともカリグラフィーで書かれた文字か。2009年から2018年の冬の間に撮影された鹿の血痕は、この一冊の作品集の中で抽象的かつ象徴的に描かれる。神聖視されながらも鹿の過度な増加は度々物議を醸してきており、殊に農作物の被害に関しては問題視され、行政は地元の猟師たちに自らの手でこの問題を対処するよう呼びかけている。作者は、鹿の頭数を減らした結果生じたもの、雪を染める野生の赤い爪痕を記録する。【書籍情報】『Trails』写真:ホンマタカシ出版社:MACK言語:英語ソフトカバー/68ページ/320×220mm発刊:2019年価格:6,400円■Shelfオフィシャルサイトで『Trails』を購入する
2019年04月27日銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)では、“変わり続ける公園”をコンセプトとして実施する実験的プログラムの第6弾となる「#006 TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」が、大好評につき、4月14日まで会期を延長して開催中。2009年にスタートしたアート出版に特化した日本で初めてのブックフェア「TOKYO ART BOOK FAIR」。年に一度のペースで開催し、アーティストや出版社が一堂に集結する場所としてアジア最大規模のアートブックフェアとなっているが、今回「#006 TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」 として、初めて銀座の街で1ヶ月にわたって開催する。会期延長に伴い、最後の週末4月13日、14日のブース出展者を追加。公募によって選出された出展ブースの他、ゲストアーティストたちによる特別ブースも登場予定だ。TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition、最後の週末まで見逃せない。すでに足を運んだ人も、ぜひ、この機会に再訪してみて。期間中は、ワークショップやトークショー、スクリーニング(上映会)、Park Liveでのミュージックパフォーマンスなどイベントが多数ラインアップ。ワークショップでは、アーティスト、エレナ・トゥタッチコワによるブックフェアの地図作りやオランダの出版社、The Future Publishingが指導する本作り体験、3月25から31日までのホンマタカシによる展覧会「Every Building on the Ginza Street」関連のワークショップ、“かみのかみさま”ことソビーとワッキーによる紙を使ったさまざまな遊びが繰り広げられる「かみであそぼう」などが開催。さらに、4月8日から14日の最終日までは、東京を拠点とするファッションレーベル「PUGMENT(パグメント)」によるプロジェクト「Magnetic Dress」 の展覧会の開催が決定した。PUGMENTは、今回のTOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Editionのスタッフユニフォームのデザイン、制作も担当している。 また、会期中の平日のみに登場する「Art Book Vending Machine(アートブック販売機)」も必見。この販売機には、週末のブース出展者より“出展料”として集めた本を中心に、1000冊を超えるアートブックをストック。販売機に参加料(500円、または持参したアートブック1冊)を入れ、キーワードを選ぶと、それに紐づく一冊が”販売機”から出てくる仕組みになっている。平日のみ登場する「Art Book Vending Machine(アートブック販売機)」国内外の出版社、ギャラリー、書店、アーティストが、それぞれのテーブルで、来場者と直接コミュニケーションをとりながら印刷物の魅力を伝える「Exhibitor Booth」では、アーティストがやってきてサイン会を行うテーブルも。五木田智央、横山裕一、ウィスット・ポンニミット、塩田正幸、小山泰介、細倉真弓ら、作り手と触れ合える貴重な機会となる。地下4階で開催されているPark Liveは、期間中イベントと連動してラインアップを決定。3月29日には、detune.+青葉市子+イトケン+西島大介によるユニット・すべてがちょっとずつ優しい世界、4月7日には、アーティスト・安野谷昌穂とミュージシャン・森俊二のセッションなど、ここでしか見ることが出来ないプログラムが多数開催される。3月30日開催の、写真家・ホンマタカシのバンド・deer revengeの出演など、フェアに参加するアーティストたちによる演奏も必見。アートブックのみならず、音楽との出会いも楽しめる催しとなっている。また、地下4階で流れているBGMも、期間中イベントと連動し、フェアにゆかりのあるアーティストたちが選曲している。地下3階では、「Art Book × Curry」をテーマにCURRY TRUCKが登場し、期間中、10店舗以上のカレー屋が日替わりで出店しているので、こちらも合わせてチェックしてみて。3月27日更新【イベント情報】#006 TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition会期:3月8日~4月14日会場:銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)住所:東京都中央区銀座5-3-1時間:10:00~20:00入場無料 ※混雑時は入場規制の可能性あり
2019年03月27日「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」が銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)にて開催。好評につき、会期を2019年4月14日(日)までに延長する。2009年、アート出版に特化した初めてのブックフェアとしてスタートした「東京アートブックフェア」。毎回、国内外の出版社やギャラリー、アーティストら約350組が出展し、2万人以上を動員するアジア最大規模のアートブックフェアだ。開催期間が1ヶ月に及ぶ新たな試みとなる今回は「公園」をテーマに、アートブックの魅力を多角的に紹介する。期間中の毎週末は、入れ替わりで25〜30組ずつ合計約150組の出展者が参加する「Exhibitor Booth」が登場。それぞれのテーブルでは、各出展者が来場者と直接コミュニケーションを取りながら、印刷物の魅力を伝えてくれる。平日は、週末のブース出展者より出展料として10冊ずつ集めた、約1500冊を超えるアートブックがストックされた全長12メートルに及ぶ「Art Book Vending Machine(アートブック販売機)」を設置。販売機でキーワードを選ぶと、それに紐づく一冊が受け取り口から出てくるという、「東京アートブックフェア」ならではのユニークな企画だ。また、週替わりで展覧会も開催。アーティストデュオ・OK-RM、現代美術家・河井美咲、写真家・ホンマタカシ、映画監督・アーティストのミランダ・ジュライが、印刷物にまつわる作品の展示を行う。また、会期延長に伴い、ファッションレーベル・PUGMENTによる追加展示も決定。そのほか、公募の中から「東京アートブックフェア」がセレクトした国内外の個性豊かなアートブックやZINE約500タイトルの展示販売を行う「ZINE’S MATE SHOP」も復活。初年度の2009年から2015年まで毎年開催されていた人気コンテンツで、一般書店には流通しないレアなアートブックに出会える。【開催概要】「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」開催期間:2019年3月8日(金)〜4月14日(日)時間:10:00〜20:00※3月8日(金)は17:00〜21:00※会期中無休入場料:無料会場:銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)住所:東京都中央区銀座5-3-1※開催内容は予告なく変更となる場合あり。
2019年02月15日アーティスト、ゴードン・マッタ=クラークの回顧展「ゴードン・マッタ = クラーク展」が、2018年6月19日(火)から9月17日(月・祝)まで、東京国立近代美術館にて開催される。ゴードン・マッタ=クラーク、アジア初の回顧展1970年代にニューヨークを中心に活躍し、35歳という若さでこの世を去ったアーティスト、ゴードン・マッタ=クラーク(1943-78)。本展は、わずか約10年という短い活動期間の中で、アート、建築、ストリートカルチャー、アーティストによる食堂「フード」の経営と、多彩な才能を発揮したマッタ=クラークの活動を、フルスケールで紹介するもの。作品の多くが個人蔵、あるいはメトロポリタン美術館やポンピドゥー・センターなど欧米の著名美術館所蔵で、これまでアジアではまとまった形で紹介される機会が無かったマッタ=クラークのアジア初回顧展となる。「ビルディング・カット」シリーズ最大規模の立体作品が初来日彫刻・映像・写真・ドローイング・関連資料など、約200点を数える出展作品の中でも注目したいのは、建物の一部を切り取る「ビルディング・カット」シリーズの中でも最大規模の立体作品であり、初来日となる《スプリッティング:四つの角》。マンハッタン、ブロンクス、ブルックリン各所の建物の天井や床に四角い穴を開けた 《ブロンクス・フロアーズ》、一軒家を縦真っ二つに切断した《スプリッティング》、パリのポンピドゥー・センター建設のため取り壊し予定だった17世紀の建築に、まるで時空が削り取られたような大きな円錐状の穴を開けた《円錐の交差》などで構成される「ビルディング・カット」シリーズ。建築物に穴を開けることで新たな光を当て、見慣れた日常をまったく新たな空間・時間へと変容させた、マッタ = クラークを代表する作品群だ。「住まい」や「ストリート」など、5つの「場所」にフォーカス会場では、都市を舞台に活動したマッタ = クラークにとって重要だった、「住まい」「ストリート」「港」「市場」「ミュージアム」の5つの「場所」にフォーカスして作品を展示。また、1970年代ニューヨークの文化的・社会的背景を示す資料や、現在の東京に関わる資料などを展示に組み込むことで、現代の都市における、マッタ = クラーク作品の今日的な意味に迫る。ビームスとのコラボレーションもビームス(BEAMS)とのコラボレーションも実施。アートディレクター・前田晃伸がデザインを担当したTシャツやトートバッグなどのアイテムを販売するほか、ゴードン・マッタ=クラークがオーナーを務めたレストラン「FOOD」にインスパイアされた5名のアート作品の展示がトーキョー カルチャート バイ ビームスにて期間限定で行われる。また、人気シェフたちが展覧会からインスピレーションを受けたオリジナルメニューを来場者に提供し、食にまつわるトークショーを実施する「料理というクリエーションと食におけるストリートカルチャー」も東京・幡ヶ谷のパドラーズコーヒーにて開催されるのでこちらも併せてチェックしてみて。開催概要「ゴードン・マッタ = クラーク展」開催期間:2018年6月19日(火)〜9月17日(月・祝)会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園 3-1開館時間:10:00〜17:00(金・土曜は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで。休館日:月曜日(7/16、9/17は開館)、7月17日(火)アクセス:東京メトロ東西線「竹橋駅」1b 出口より徒歩3分観覧料:一般1,200(900)円、大学生800(500)円※( )内は20名以上の団体料金。価格は税込み。※高校生以下および18歳未満、障害者手帳の所持者とその付添者(1名)は無料。※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMAT コレクション」(4-2F)、「瀧口修造と彼が見つめた作家たち コレクションを中心とした小企画」(2F ギャラリー4)も観覧可能。リピーター割引:本展使用済み入場券の持参で、2回目以降は特別料金で観覧可能(一般500円、大学生250円)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)<ビームス×ゴードン・マッタ=クラーク展>■コラボレーショングッズ販売発売日:2018年6月15日(金)販売店舗:トーキョー カルチャート バイ ビームス及び東京国立近代美術館ミュージアムショップ※6月19日~アイテム:Tシャツ、トートバッグ、ステッカー、ポストカード■展示会「TOO MUCH Magazine NEW ISSUE LAUNCH EXHIBITION『FOOD 1971-74:The recipe for a soup no one knows about』」開催期間:6月15日(金)~20日(水)会場:トーキョー カルチャート バイ ビームス参加アーティスト:Åbäke、加賀美健、ホンマタカシ、モトーラ世理奈、平山昌尚販売アイテム:缶入りTシャツ■トークイベント「料理というクリエーションと食におけるストリートカルチャー」開催期間:6月19日(火)~9月17日(月・祝)の期間に週替わりで10名ほどのゲストを予定。会場:パドラーズコーヒー住所:東京都渋谷区西原2-26-5図版は全てCourtesy the Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York.© 2018 Estate of Gordon Matta-Clark/ Artists Rights Society (ARS), New York.
2018年04月21日MSGM(エムエスジーエム)のスペシャルマガジン『MSGM MAGAZINE』が、2017年10月31日(火)より発売される。イタリア・ミラノで新作発表を行っているMSGMは、マッシモ・ジョルジェッティによるファッションブランド。様々なカラー、シルエット、ラインなどを組み合わせた独創的なデザインが特徴で、デビュー時からブライトカラーを大胆に使った、遊び心溢れるピースを展開している。『MSGM MAGAZINE』では、アメリカのドラマ『ツイン・ピークス』をテーマとした、2017-18年秋冬コレクションにフォーカス。ビジュアルフォトによって2017-18年秋冬の新作を魅力的に映し出す。表紙を飾るのは、国内外のファッションシーンで活躍するモデルの福士リナ。書籍内では、シーズンテーマと連動させた大型のファッションストーリーを紹介している。また、写真家・ホンマタカシによる、東京のストリートボーイズに焦点をあてた撮影も掲載。さらに、『MSGM MAGAZINE』には「インサイドアウト6WAYバッグ」が付属する。表には、MSGMの象徴的なグラフィックをプリント。裏を返すと、2017-18年秋冬コレクションでも登場したフラワープリントへと早変わりするリバーシブル仕様となっている。ストラップを付け替えれば、ショルダー・クラッチ・ポーチと異なるスタイルで楽しむことができる。【アイテム詳細】『MSGM MAGAZINE』2,580円+税発売日:2017年10月31日(火)出版元:宝島社
2017年10月27日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。今週は、雑誌『Purple』の25周年アニバーサリーイシュー。■『Purple Fashion #28 (25th Anniversary Issue)』1992年にエレン・フライス(Elein Fleiss)とオリヴィエ・ザーム(Olivier Zahm)が立ち上げて以来、世界中のアーティストや編集者から注目されてきた『Purple』の25周年を記念した豪華特別イシュー。いつもとは異なるクロス装のハードカバーにあしらう表紙ジャケットも、なんと25種類を用意。『Purple』がこの25年間に最高のファッションデザイナー、フォトグラファー、スタイリストと共に歩んできたことを物語る作りとなっている。内容面でもイネス&ヴィノード(Inez and Vinoodh)、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)、ホンマタカシ(Takashi HOMMA)、ユルゲン・テラー(Juergen Teller)、サンディ・キム(Sandy Kim)、テリー・リチャードソン(Terry Richardson)、アンダース・エドストローム(Anders EDSTRÖM)、ヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)ら人気写真家を結集し、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、プラダ(PRADA)、グッチ(GUCCI)、バレンシアガ(BALENCIAGA)等々の2017-18年秋冬ファッションを紹介したエディトリアル・ページは圧巻。その豊かな人脈と、雑誌にスピリットを吹き込んでくれたアーティストやモデルへの敬意が感じ取れる。【書籍情報】『Purple Fashion #28 (25th Anniversary Issue) 』出版社:Purple Institute言語:英語ハードカバー/500ページ/330×240mm発刊:2017年価格:4,800円■Shelfオフィシャルサイト『Purple Fashion #28 (25th Anniversary Issue)』購入ページ
2017年09月30日東京・南青山のスパイラルガーデンでは9月28日から10月9日まで、YKKAPの「窓学」10周年を記念したエキシビション「窓学展-窓から見える世界-」が開催される。YKKAPは、“窓は文明であり、文化である”との思想のもと、「窓」を主題に2007年からアカデミックな研究としての窓学を研究者や建築家とともに実施し、建築や文化、アートなど様々な切り口でアプローチしてきた。同展は、過去10年間の研究成果をわかりやすく紹介し、幅広い視野で窓を考え、感じられるものとなっている。東京大学を始めとした大学や研究機関より7名の研究者が参加し、研究展示を行う他、アート分野からレアンドロ・エルリッヒやホンマタカシ、鎌田友介といった3名のアーティストが同展のために、窓をテーマとした新たな作品を制作、発表する。加えて、イタリアを代表するデザイナーのミケーレ・デ・ルッキの特別展示も登場する。10月3日にはシンポジウム「窓学国際会議-窓は文明であり、文化である-」を開催。世界的な建築写真家のイワン・バーンや、歴史家で建築家の藤森照信、スイスから来日する建築家で建築史家のヴィットリオ・マニャーゴ・ランプニャーニ他、過去に窓学に参加した多彩な分野の専門家や、海外からのユニークなゲストなど、約20名による講演を予定している。【イベント情報】「窓学10周年記念『窓学展-窓から見える世界-』」会期:9月28日~10月9日会場:スパイラルガーデン及びショウケース住所:東京都港区南青山5-6-23時間:11:00~20:00入場無料会期中無休
2017年09月08日世界有数のアート都市でもある東京では、2017年も刺激的な展覧会が目白押し!エルメス財団が運営する銀座メゾンエルメス フォーラムや東京都写真美術館、岡本太郎美術館などエッジの効いたアート作品に触れられる場所が至るところにある。その他、横浜、金沢、青森でも魅力的な展示が開催中。アートに触れて、心身をリフレッシュしよう!■オブジェと身体の共犯、銀座メゾンエルメス フォーラムで「曖昧な関係」展世代や国籍、表現方法の異なる3人のアーティストの作品を通して、作品と身体との間に生まれる関係性について考察した「曖昧な関係」展が、2月26日まで銀座エルメス フォーラムで開催される。気鋭の現代アーティストが生み出す珠玉の作品をお見逃しなく。■森山大道、ホンマタカシ、畠山直哉らが様々な視点から“東京”の街を切り取った写真展東京都写真美術館が“東京”をテーマに収蔵品で構成するコレクション展「TOPコレクション 東京・TOKYO」を1月29日まで開催する。「東京を表現、記録した国内外の写真作品を収集する」という収集方針の一つのもと、荒木経惟、森山大道らの作品を展示する。■ターナー賞受賞、15人の建築家集団アセンブルの展覧会が表参道でスタート現代美術界で最も重要な賞の1つといわれるターナー賞を受賞した建築家集団のアセンブル(Assemble)を紹介する「アセンブル_共同体の幻想と未来」展が、2月12日まで東京・表参道のEYE OF GYREにて開催中。建築に留まらず活動する彼らの作品に触れてみよう。■舘鼻則孝が岡本太郎記念館をジャック!「舘鼻則孝 呪力の美学」展開催東京芸術大学の卒業制作「ヒールレスシューズ」がレディー・ガガの目にとまり、一躍アートシーンに躍り出た舘鼻則孝の展覧会「舘鼻則孝 呪力の美学」が、3月5日まで東京・南青山の岡本太郎記念館にて開催中。岡本太郎記念館をジャックした最大規模の展覧会となる。■「篠山紀信展 写真力」が横浜美術館で開幕、ゆずや草笛光子など新出展作を含む約120点を公開全国25会場を巡回し75万人を超える人々を魅了してきた「篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN」が2月28日まで横浜美術館にて開催される。ジョン・レノン(John Lennon)、三島由紀夫、勝新太郎など著名人の写真の他、東日本大震災を映した作品も公開。■金沢21世紀美術館で「工芸とデザインに境目はあるか」を探る展覧会開催。監修は深澤直人「工芸」と「デザイン」の曖昧さに注目した「工芸とデザインの境目」展が、3月20日まで金沢21世紀美術館で開催される。プロダクトデザイナー深澤直人が監修を務め、「プロセスと素材」「手と機械」などのテーマから、工芸とデザインの境界を浮き彫りにしてゆく。■写真家トーマス・ルフが東京に続き金沢へ。東京展でも未発表の新作を含む約160点を公開現代の写真表現をリードしてきた写真家のトーマス・ルフによる日本初の回顧展となる「トーマス・ルフ展」が東京に続き、12月10日から17年3月12日まで石川県の金沢21世紀美術館にて開催される。初期作品から代表作「Portrats」などを含む大規模な展示となる。■ヨーガン レールが最後に残したメッセージ。海辺のゴミで制作した光のオブジェなど約140点を十和田市現代美術館で公開衣服、インテリア用品、家具、キッチンウェアなど、ライフスタイル全般のデザイナーとして知られるヨーガンレール(Jurgen Lehl)。没後初の回顧展となる「On the Beach ヨーガン レール 海からのメッセージ」が、2月5日まで青森の十和田市現代美術館で開催される。
2017年01月07日東京都写真美術館が11月22日から17年1月29日まで、“東京”をテーマに収蔵品で構成するコレクション展「TOPコレクション 東京・TOKYO」を開催する。毎年違ったテーマを立ててコレクションを開催している東京都写真美術館。リニューアルオープン後初めてのコレクション展は、誰もがその言葉から様々なイメージを思い浮かべることができる都市“東京”をテーマに開催する。人それぞれのイメージがあり、一つのイメージには集約できない不思議な街であり、多くの写真家たちのインスピレーションの源にもなってきた東京。同展では、「東京を表現、記録した国内外の写真作品を収集する」という、同館の収集方針の一つのもとに集められた作品の中から、戦後から現代の作品を中心に紹介する。展示は、様々な視点で切り取った作品から浮かび上がる東京の姿を紹介する「街角で」、華やかさの裏側のディープでよりリアルな現実を捉えた「裏路地で」、皇居をはじめとする東京の庭園や公園などを写した「東京エアポケット」、人のいない東京や他人の家の中などを見ることができる「見えないものを覗き見る」、行政上の区分とは異なる境界線を捉えた東京に焦点を当てた「境界線の拡大、郊外、サバービア」、どこの街にもあるようなふとした東京の風景たちの「どこでもない風景」、撮影に人工的な仕掛けを加えるなど東京と戯れて撮影したような写真を捉える「多層的都市・東京と戯れる」にそれぞれ分けて構成される。出品作家は、石元泰博、 林忠彦、山内道雄、荒木経惟、森山大道、朝海陽子、伊奈英次、宮本隆司、小林のりお、ホンマタカシ、花代、奈良原一高、畠山直哉、林ナツミ、本城直季など。関連イベントとして、出品作品に写っているものについて参加者全員で対話しながら鑑賞した後に簡単な暗室での制作を行う「対話による鑑賞プログラム」や、担当学芸員によるギャラリートークが予定されている。また、将来性のある作家を発掘し、新しい創作活動の場となるよう毎年異なるテーマを決めて開催している「東京・TOKYO 日本の新進作家vol.13」展も同時開催される。【展覧会情報】「総合開館20周年記念 TOPコレクション 東京・TOKYO」会場:東京都写真美術館3階展示室住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内会期: 11月22日~17年1月29日時間:10:00~18:00(木・金曜日は20:00まで)※ただし17年1月2日(月・振休)、 3日(火)は11:00~18:00 入館は閉館30分前まで休館日:月曜日、12月29日~17年1月1日
2016年11月16日世界を舞台に活躍するフォトグラファー・映像クリエイターの作品が集結するフォトフェア「アートフォト東京 -エディション ゼロ-」が、東京・茅場町共同ビルディングにて、2016年11月18日(金)・19日(土)・20日(日)の3日間にわたって開催される。2020年にオリンピックの開催を控え、ファッション、アニメといった日本カルチャーの中心都市である“TOKYO”から、最新アートを世界に向けて発信すべく、趣旨に賛同したギャラリーやトップクリエイター約60名が参加。写真のみならず、写真と映像のコラボレーション作品など、ジャンルレスなアート作品が多数展示される。参加アーティストには、京都・嵐山駅を幻想的な“和の美”で包む京友禅の竹林「キモノ・フォレスト」を手掛けるなど、インテリアに限らず世界中で多くの創作プロジェクトを手掛けるデザイナーの森田恭通、レディー・ガガ、松任谷由実、浜崎あゆみなど、多くのセレブリティを撮影しているフォトグラファーのレスリー・キー、鮮やかな色彩と映像美を放つ作品で、映画監督としても高い評価を得ている蜷川実花、気鋭の映像作家・演出家・写真家として数々のTVCMやMUSIC VIDEOを手掛ける柿本ケンサクらが名を連ねる。【開催概要】「アートフォト東京 -エディション ゼロ-(ART PHOTO TOKYO -edition zero-)開催期間:2016年11月18日(金)~11月20日(日)会場:東京・茅場町共同ビルディング(中央区日本橋1-6-12:茅場町駅直結)時間:11月18日(金)・19日(土) 12:00~20:0011月20日(日) 12:00~17:00※最終入場は閉場の30分前。入場料金:大人1,500円、学生500円(小学生以下無料)※小学生を除く学生券購入者は、当日学生証の提示が必要。※混雑時は、入場制限を行う場合あり。チケット:Yahoo!チケット(にて販売中【出展者】■Photographers北島明 / 清水はるみ / 宮本敬文 / 柿本ケンサク / Leslie Kee / P.M.Ken / 桐島ローランド / 若木信吾 / TCK / 森田恭通■Exhibition GalleriesAOYAMA | MEGURO & GALLERY KOCHUTEN [羽永光利] / Art & Science Gallery Lab Axiom [脇田玲] / G/P Gallery [横田大輔] / Gallery Koyanagi [Thomas Ruff] / GALLERY SIDE 2 [田附勝] / hiromiyoshii roppongi [篠山紀信] / MISA SHIN GALLERY [志水児王/小沢剛/Back Seung Woo] / MIZUMA ART GALLERY [宇佐美雅浩] / MORI YU GALLERY [河合政之] / MUJIN-TO Production [朝海陽子] / OTA FINE ARTS [さわひらき] / POST / twelvebooks [Broomberg&Chanarin] / 新宿眼科画廊 [青柳菜摘] / ShugoArts [米田知子] / Taka Ishii Gallery [Luke Fowler] / TARO NASU [ホンマタカシ] / 小山登美夫ギャラリー [蜷川実花/Ryan McGinley] / URANO [中島大輔] / YUMIKO CHIBA ASSOCIATES [大島成己/山城知佳子] / B Gallery [操上和美 他] / VICE MEDIA JAPAN株式会社and more
2016年11月03日写真家のホンマタカシによる展覧会が、10月27日まで岡山県にあるCCCSCD galleryにて開催されている。このギャラリーでは2回目となるホンマタカシの展覧会。今回は、アメリカ人アーティストのエド・ルシェをオマージュしたシリーズの13作品を展示中。そのうち『SCANDINAVIAN MUSHROOM』は、1972年に発行されたエド・ルシェの『COLORED PEOPLE』へのオマージュ作品となるもの。オリジナルでは多肉植物であったモチーフをキノコに置き換え、欧米で撮影した。『NINE SWIMMING POOLS』は、エド・ルシェが初めてカラーで制作した同名のアーティストブックへのオマージュ。オリジナルの画一的なプールに対し、ホンマタカシ版ではバリエーション豊かなプールが連ねられた。『THIRTYFOUR PARKING LOTS』では、1967年に発行された、エド・ルシェの作品の中でも評価が高いアーティストブックをオマージュ。世界各国の駐車場で撮影を行い、レイアウトから造本に至るまで忠実にオリジナルを再現した。また、10月15日にはピンホールカメラのワークショップ「ホンマタカシピンホールカメラ×シファカ茶室 ワークショップ」を開催。当日は、客間にさらに茶室を出現させる新しい手法を実施する。また、ホンマタカシ本人を招き、初公開となる映像作品上映会やライブも行う予定だ。なお15日のイベントは、予約者優先。詳細・申込方法についてはCCCSCD galleryのオフィシャルイベントページ()にて。【イベント情報】「ホンマタカシ展」会場:CCCSCD gallery住所:岡山県岡山市北区石関町6-3会期:9月3日~10月27日(10月19日は休廊)時間:10:00~19:00(土日祝日は9:00~)
2016年10月06日写真家ホンマタカシが12年振りに新作ドキュメンタリー映画の特集上映を2016年11月末に渋谷イメージフォーラムにて行う。本機会では、ホンマタカシが02年より14年間、美術館やギャラリーなどでインスタレーションとして発表してきた映像作品を劇場用に再編集して公開する。同氏の作品が劇場で上映されるのは、04年の『きわめてよいふうけい』以来12年ぶりのことである。今回公開されるのは4作品。そのうち最新作の『After 10 Years』はスマトラ沖地震のツナミによって甚大な被害を被ったホテル、ヘリタンス アフンガラ(Heritance Ahungalla)を描いたドキュメンタリーとなっており、10年の時を経た今、人々の中で当時の記憶がどのように変容し立ち現れるかが映し出されている。ビジュアルデザインを手掛けたのは長嶋りかこ。現在ギャラリーや書店にて現在配布中。
2016年10月04日猪熊弦一郎によってデザインされ半世紀に渡り三越のオリジナル包装紙として愛されてきた「華ひらく」。この「華ひらく」をモチーフに、今年3月に行われた「三越 『華ひらく』コレクション」がGOOD DESIGN AWARD 2016を受賞したことが29日発表された。「三越 『華ひらく』コレクション」とは、猪熊デザインの「華ひらく」をアート作品として捉え、「華ひらく」柄に新たな解釈を加えた商品展開、「華ひらく」のルーツとなった“石”や猪熊弦一郎と親交のあったホンマタカシによる写真展などの展開、四国新聞のラッピング広告や高松商店街のドームに設置した「華ひらく」の巨大モチーフ等、一連のプロモーションのこと。受賞にあたっても「半世紀以上も昔の作品を単なる包装紙柄としてではなく、アート作品として商品、展開、訴求を通じ、新たな価値に変換し、提案している」点が評価されたという。四國新聞のラッピング広告赤でも紫でもない鮮やかな色と白を基調に、円と線で構成されたこのデザインは、画家・デザイナーの猪熊弦一郎によって生み出された。戦後間もない頃、「百貨店のシンボルになるようなオリジナルの包装紙を作ろう」という話が三越で持ち上がり、猪熊弦一郎へデザインを依頼。猪熊弦一郎は千葉の犬吠埼を散策中、海岸に転がっている石を面白く思い、東京へ持ち帰ったそれらの石からデザインの着想を得たという。当時、三越宣伝部の社員だった漫画家のやなせたかしが猪熊弦一郎からのデザイン画を受け取り、筆記体で“mitsukoshi”と書き加えたという「華ひらく」包装紙の誕生にまつわるエピソードもある。「三越 『華ひらく』コレクション」のブランド開発マネージャーは「ものづくりをする際にいちばん気をつけたのは、“華ひらく”を三越の包装紙柄としてではなく、猪熊氏の作品として捉えた点。“アートとして商品に落とし込むにはどうしたらよいか”に拘り、ディレクターの岡本健氏と検討を重ねた」と振り返る。10月12日からの三越創業祭では「三越 『華ひらく』コレクション」の第2弾として、今年3月に展開した商品に新たなラインアップを加え、約70種に及ぶ「華ひらく」柄があしらわれたアイテムの展開・販売を三越各店で行う(一部会期の異なる店舗あり)。展開される「華ひらく」アイテムには、「華ひらく」柄の「張子べこ」(大3,500円、小2,700円)、だるま(大6,000円、小3,000円)、招き猫(大1万9,000円、小8,000円)などの伝統工芸を掛け合わせた商品もそろう。また、猪熊の故郷・瀬戸内に縁のあるアイテムとして、両面パイルの今治タオル(全4種600円から)や、瀬戸内の酒蔵の日本酒「世紀を超えて 大吟醸雫酒 室町」(720ml、1万円)、「讃岐名産 しょうゆ豆」(155g、300円)、「飲む酢 瀬戸内レモン」(150ml、1,200円)など、地場ならではの逸品も並ぶ。その他、「華ひらく」柄が全面にプリントされたサブバッグ(大4,500円、小4,000円)や、ワンポイントで「華ひらく」のデザインがあしらわれたボールペン(300円)、猪熊弦一郎が好んで愛用していたといわれるマスキングテープ(2種、各800円)などを用意する。三越の包装紙の柄として1950年にデビューし、半世紀を経て、新たな解釈と共に送り出された「華ひらく」コレクション。猪熊弦一郎が海岸の石ころに見た「自然の美しさと造形美」が宿るデザインを、改めて味わってほしい。【イベント情報】三越「華ひらく」コレクション会場:日本橋三越本店本館・新館各階ほか、三越各店会期:10月12日~25日(一部会期の異なる店舗あり)
2016年09月29日写真家・ホンマタカシのドキュメンタリー映画が、渋谷のシアター・イメージフォーラムで2016年11月に一挙公開されることが決定。現代の写真表現において第一線で活躍し、国際的に注目されている日本人写真家・ホンマタカシ。この度、2002年より14年間、主に美術館やギャラリーなどでインスタレーションとして発表されてきた彼の映像作品を、劇場用に再編集して上映する。また、最新作のドキュメンタリー『After 10 Years』も公開。同作は、スマトラ沖地震のツナミによる甚大な被害を被ったホテル「ヘリタンス アフンガラ(Heritance Ahungalla)」の10周年追悼式典までの一週間を追ったものだ。なお、ホンマタカシの作品の劇場上映は、2004年に公開された『きわめてよいふうけい』以来12年ぶりとなる。【詳細】ホンマタカシニュードキュメンタリー映画特集上映公開日:2016年11月末場所:シアター・イメージフォーラム住所:東京都渋谷区渋谷2-10-2制作:between the books配給協力・宣伝:mejiro films(C)Takashi Homma New Documentary
2016年09月18日写真家のホンマタカシの特別展示が、7月17日から11月6日まで香川県丸亀市にある丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の展示室Aにて開催中。同展示では、香川出身の画家・猪熊弦一郎がデザインした三越の包装紙「華ひらく」をモチーフにした、ホンマタカシによる新作「三越包装紙」を紹介。東京と香川の街中で「華ひらく」を撮影した同作は、もともとはテレビ番組で即興的に生まれたもの。今年の春、瀬戸内国際芸術祭とのコラボレーションイベントのために新たに撮り下ろされた。お馴染みの三越包装紙が、三越本店のある東京日本橋や猪熊弦一郎の故郷である香川県の街中に突如あらわれ、意外なものがつぎつぎと“贈りもの”になっていくというグラフィティーアートのようなこれらの写真と、実際の包装紙を組み合わせたインスタレーションが、猪熊作品が並ぶ常設展示室の中にまさに“落書き”のように登場する。【イベント情報】「特別展示 ホンマタカシ《三越包装紙》」会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 展示室A住所:香川県丸亀市浜町80-1会期:7月17日~11月6日時間:10:00~18:00(8月27日は21:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般300円、大学生200円、高校生以下または18歳未満、丸亀市在住の65歳以上は無料会期中無休
2016年07月22日写真家のホンマタカシによる作品集『A Song for Windows』の刊行記念トークセッションが、7月24日に青山ブックセンター本店にて開催される。『A Song for Windows』は、児童書『ムーミン』の原作者として世界的に知られるフィンランド人作家のトーベ・ヤンソンが、パートナーでありイラストレーターのトゥーリッキ・ピエティラとともに約四半世紀に渡り夏を過ごしたフィンランドの離島、クルーヴハルを舞台に撮影した写真集。ホンマタカシが1998年に公開されたドキュメンタリー『Haru, yksinaisten saari』にインスピレーションを受け、現地に向かい滞在制作した作品の数々が収録されている。なお、同書は500部限定発行で、日本での流通は100部のみとなっている。刊行記念トークセッションでは、ホンマタカシが実際に過ごした離島での生活やインスピレーションとなったドキュメンタリー作品について、現地で撮影した映像などを交えながら語る。同書を発行したスウェーデンの出版社・LIBRARYMANの日本国内ディストリビューションを務めるtwelvebooksの代表である濱中敦史もゲストとして参加する予定だ。【書籍情報】『A Song for Windows』作家:ホンマタカシ出版社:LIBRARYMAN40ページ/190×270mm発刊:2016年価格:7,000円【イベント情報】『A Song for Windows』刊行記念 ホンマタカシ×濱中敦史 トークイベント&レクリエーション会場:青山ブックセンター本店 大教室住所:東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山ガーデンフロア地下2階会期:7月24日時間:14:00~15:30(開場は13:30)料金:税込1,080円
2016年07月18日1902年香川県高松市に生まれた画家・猪熊弦一郎。作品を通じて猪熊弦一郎とはどんな人物だったのかを知るために、猪熊の故郷香川にある「丸亀市猪熊弦一郎美術館(通称 MIMOCA、以下MIMOCA)」を訪ねた。MIMOCAを訪ねるまで、頭の中には一つの疑問があった。猪熊弦一郎のことを調べる程、その多彩な絵画様式に驚かされ、そしてまた「どれが本当の猪熊さんなのか」という疑問が沸き上がってきたのだ。もちろん、どの作品もその絵筆を持った猪熊作品に違いないのだが、時にその作品からはアンリマティスを色濃く感じ、時に作品からはピカソの面影を感じる。また、具象と抽象を行き来し、自在に色彩やフォルムを操っているようにさえ見える。さあ、猪熊はどのような生涯をアーティストとして歩んだのか、6月30日まで開催中の展示「猪熊弦一郎展「私の履歴書」前編ーー絵には勇気がいる」を同館学芸員の古野華奈子さんとともに巡りながらお届けしよう。1/2はこちらから。■幼少期から晩年まで、約2万点の猪熊作品の収蔵約2万点もの猪熊作品を所蔵するMIMOCA。猪熊が幼少期に書いた絵から、東京美術大学(現 東京藝術大学)在学時の作品も含めて、日本、フランス、ニューヨーク、ハワイなどで創作された晩年までの作品を収蔵している。それに加えて、猪熊が蒐集していた雑多なものたちも保管されており、その時々の企画に合わせてセレクトされ、彼の絵画作品と共に展示されている。MIMOCAは、まさに猪熊の生涯に渡る創作活動の軌跡を知ることが出来る場だ。■私の履歴書ーー絵には勇気がいる5月にMIMOCAを訪れた時は、1979年に日本経済新聞の連載「私の履歴書」のために猪熊が半生を綴った原稿を元に構成された企画展「猪熊弦一郎展「私の履歴書」:前編ーー絵には勇気がいる」と、猪熊が晩年描いた「顔シリーズ」が展示されていた。学芸員の古野さんと共にこの二つの展示を歩きながら彼の作品を通して猪熊と向き合ってみたい。■絵の上手な少年が画家・猪熊弦一郎になるまで「私の履歴書」を元に猪熊の半生を知る企画展は、猪熊が絵画に目覚めた幼少期の作品からスタートする。その後、現東京藝術大学に進んだ猪熊は、後に画家として活躍する同級生、小磯良平、荻須高徳、中西利雄、岡田謙三、山口長男らの洗練を受ける。同級生たちと切磋琢磨し、自分らしい作品とはと猪熊が試行錯誤を繰り返したことは、次々と作風の変わる作品からも感じ取れる。「どんな絵画表現が出来るのだろうか」と言う問いに対するその時々の猪熊の答えが作品になっているかのようだ。《題名不明》1919年《画室》1932年■マティスからの一言ーー「お前の絵はうますぎる」学生時代よりパリに行くことを熱望していた猪熊は、1938年妻・文子と共に憧れの地を踏む。そこで猪熊はマティスに絵を見てもらう機会を得るのだが、そこでマティスに「お前の絵はうますぎる」と言われる。このことを猪熊は、著書『私の履歴書』にこう記している。ーー結局、うまく描くということは人によく見てもらいたいと思うために描くことに通じている。(中略)思ったことを素直な、虚飾のない姿でカンバスにぶっつけることこそ一番大切だ。「絵がうますぎる」という先生の言葉はそんな意味だ。(中略)この言葉は私の一生を通じて、すべてのことに最も大きな教訓となっているーー■自分らしい表現を追求して猪熊と親交が深かった画家の一人に藤田嗣治がいる。藤田と猪熊は第二次世界大戦中、フランスの片田舎へ共に疎開したり、日本への引き上げ船に乗るようにと藤田が猪熊を諭したりと、まさに寝食を共にしながら過ごした友人でもあった。同企画展では、藤田独特の乳白色の地塗りのテクニックを猪熊なりに真似たような作品『レゼシーの人形のような子供』(1939)も展示されている。また、日本への最後の引き上げ船に乗る直前まで、戦火の中描き続けた作品『マドモアゼルM』(1940)。この作品はパリでの最後の作品となり、猪熊の具象作品の代表作と言われている。《マドモアゼルM》1940年3年という短いパリ滞在期間においても、猪熊の作品は次々とその様相を変えてゆく。濃密な3年間、自分らしい表現とは何かを追求する猪熊の姿を、この展示を通じて知ることができた。猪熊は制作活動を通じ、「自分の表現とは何か」「美しさとは何か」を、生涯問い続けていたのだろう。アーティスト猪熊弦一郎の生涯は、創作を通じた発見の連続だったのかもしれない。ーー私は画家になって本当に良かったと思う。(中略)毎日を喜びと感謝を持ちつつ制作を続け、ますます子供の心のように清く生き生きとそして明るく、何事によらず未知の世界に大きな驚きと興味を持ち続けて、いままでにない何かを作り上げたい念願で一杯である。ーー『私の履歴書』猪熊弦一郎著より抜粋MIMOCAでは、勇気を持って絵と向き合うことを選んだアーティスト・猪熊弦一郎の軌跡に触れることができる。瀬戸内を訪ねるのなら、ぜひ訪れたい場所の一つだ。【展覧会情報】企画展「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」会期:7月17日から11月6日常設展「猪熊弦一郎展ニューヨークでの制作ーデザイン・壁」会期:7月17日から11月6日特別展示「ホンマタカシ《三越包装紙》」会期:7月17日から11月6日【美術館情報】丸亀市猪熊弦一郎現代美術館住所:香川県丸亀市浜町80-1(JR丸亀駅前)開館時間:10時から18時まで(入館は17時30分まで)休館日:年末(12月25日から30日)※臨時休館の場合あり
2016年06月28日ケンゾー(KENZO)は、2016年プレフォールコレクションの展開を記念して、日本昔話にインスピレーションを得たショートフィルム「Sun to Sun(太陽から太陽まで)」を発表。コレクションテーマの「日本」からヒントを得て、日本のサブカルチャーに着目した、アートディレクターのパーテル・オリヴァ。作り上げたショートフィルムは、現代写真家・ホンマタカシの奥深いドキュメンタリー風の写真と、大友克洋による漫画『AKIRA』で描かれるネオ東京の世界観にオマージュを捧げた、桃太郎ならぬ‟桃子”を主人公としたスケバン・シネマだ。複雑で曖昧な世で成長する桃子は、強さと弱さ、現実的な部分と非現実的な部分をもっている。作品は浜辺で独り佇む現実からスタートし、次第にアニメの世界へと溶け込み、不良達とバイクにまたがる夜の世界を捉えていく。麻呂眉を墨で描き、魅する風貌で人々の心を惑わす桃子が表現するものとは。 撮影は、鎌倉近郊の海岸から始まった。藤沢から東京へと向かうモデルの中には、原宿でキャスティングされた者もいるという。音楽は、映画『AKIRA』の音楽などでも知られる「芸能山城組」が担当した。イヌ・サル・キジと出会い仲間となり、力を合わせて鬼ヶ島へと鬼退治に向かう日本の昔話・桃太郎。決意と意志の強さの象徴であるこの伝説的なストーリーに、いま新しい解釈が加えられている。
2016年06月10日伊勢丹新宿店では、5月25日から31日まで、写真家・ホンマタカシの作品を展示、紹介するゾーンを同店本館1階ザ・ステージ内にオープンする。この展示は、同店で同会期に開催されるニューヨークウイークの一環で行われるもので、写真家ホンマタカシのピンホールシリーズからニューヨークを被写体にした作品を展示、販売する。今回紹介される作品は、同氏が街の一角にあるホテルや高層建築物などの一室をピンホールカメラ化し、「都市によって都市を撮影する」という試みのもとで撮影されたもの。撮影方法は暗い部屋で小さな穴を通して壁に映し出すという、カメラ・オブスキュラ(camera obscura)という手法が採用されている。展示作品は、給水塔のようなアイコン的存在や、数字や文字などのデザイン性の強い要素をクローズアップし、意図的に写真の記録性や受動性から遠ざかろうとしているかのように思えるコンセプチュアルなもの。会場では上記作品をプリントしたニードルデザイン(NEEDLE DESIGN)とコラボレーションしたTシャツやiPhoneケースも限定発売される。ホンマタカシは、1962年、東京都生まれ。1999年写真集『東京郊外』で第24回木村伊兵衛賞を受賞。2016年4月には出版社のMACKより、カメラオブスキュラシリーズの作品集『THE NARCISSISTIC CITY』を刊行した。
2016年05月24日伊勢丹新宿店本館1階ザ・ステージでは5月25日から、ファッション×アート×音楽のファクターでニューヨークのカルチャーにフィーチャーするポップアップ「CREATORS STUDIO FROM 90'S TO THE PRESENT」がスタートする。5月25日から31日まで、伊勢丹新宿本店本館及びメンズ館で開催される「ニューヨークウィーク」フェアの一環として開催されるこのポップアップでは、世界中から最先端のカルチャーが集まり混じり合う自由な街ニューヨークの魅力を、“ファッション”、“アート”、“音楽”と3つの切り口に紐解いていく。ニューヨークといえば90年代、ケイト・モス、クロエ・セヴェニーやソフィア・コッポラなど、今(当時の未来)を牽引するたくさんの人物が思い浮かぶ。会場空間は、そんなクリエーターたちのコミュニティーとなっていた共同スタジオをイメージし、ペンキで汚れた床、棚には画材道具が点在し、レコードやアート書籍がぎっしりと詰め込まれ、当時“クリエーションが進化する場”として賑わった雰囲気を表現する。そして気になるアイテムラインアップ。中でも目玉は、4月の来日も記憶に新しい、現在東京オペラシティ アートギャラリーで展覧会を開催している、ニューヨークの売れっ子フォトグラファー、ライアン・マッギンレー(Ryan McGinley)とのコラボレーションアイテムだ。アイテム選定からライアン自身とのやりとりを通じて生まれたという全6アイテムはいずれも数量限定で、背面にライアンの作品をプリントしたSMLサイズ合わせて30着限定のコーチジャケット(各3万6,000円)を始め、ポーチ(9,000円)、スカーフ(2万円)、ブランケット(2万6,000円)、バンダナ(3,000円)、ステッカー(1,000円)といった、ここでしか手に入らないアイテムが展開される。その他にも、ホンマタカシとのコラボレーションによるアイテム、家電収集家・松崎順一のコレクションの一部である1点ものヴィンテージラジカセ(6万4,800円 ※整備品)、原宿の古着屋ラボラトリー/ベルベルジン(R)がセレクトした古着Tシャツ、タワーレコードがセレクトしたレコード、カセット、CD、蔦屋書店がセレクトしたアート書籍などが登場する。ポップアップの開催期間は31日まで。東京オペラシティ アートギャラリーの「ライアン・マッギンレーBODY LOUD !」展は7月10日まで開催中。
2016年05月23日伊勢丹新宿本店本館及びメンズ館は、伊勢丹創業130周年を記念し、5月25日から31日まで、ニューヨークの最旬ライフスタイルを紹介するフェア「ニューヨークウイーク」を開催する。同フェアでは、そのときどきの街の流行の発信地がダウンタウンからブルックリンへ、ブルックリンからアップタウンへと常に循環するニューヨークの魅力を“ECLECTIC NEW YORK(ニューヨーク折衷主義)”をテーマに紹介する。メイン会場となる本館6階催物場では、5月25日から30日まで「ニューヨーク展」を開催。フードゾーンでは、ニューヨークを中心に展開するベアバーガー(BAREBURGER)の「カウンティフェアセット」(2,300円)など、今話題のオーガニックバーガーを発売。ブルックリン発の人気カフェベーカリー、ベイクド(BAKED)からは「ディープダーク・ブラウニー」(500円)や「ブラウンシュガー・ブロンディ」(500円)などのスイーツが発売されるほか、ニューヨーカーに人気のデザートバー、チカリシャス ニューヨーク アマリージュが生み出した、クロワッサン生地にドーナツの風味が加わったスイーツ「ドー’サン」(税込各451円)、“朝食の女王”と称されるサラベスの名を世界中に広めた「フルーツスプレッド」(1,500円)も登場する。ライフスタイルゾーンでは、ニューヨーク発のライフスタイルブランドであるベストメイドのボックス(4,200円)、スチールカップ(4,800円)、Tシャツ(6,000円)といった雑貨が展開される。尚、同会期中は催物場のほか、各階でニューヨークに合わせたポップアップショップがオープン。同店本館3階ウエストパーク/プロモーションではラグ&ボーン(rag & bone)によるブルックリンのフリーマーケットをイメージしたポップアップショップがオープンするほか、2階ザ・ステージでは、ブルックリンで注目を集めているショップをオリジナルトートバッグを通じて紹介。また、3階リ・スタイルでは、ニューヨークで活躍するアーティスト・ブラッドリー・セオドア率いるアーティスト集団NEW YORK’S FINEST(NYのいけてるやつら)のアートワークとLUGHAのコラボレートによるクラッチバックやバンダナなどのアイテムを販売。メンズ館2階のインターナショナルクリエイターズでは、グラフィックアーティストのミナミ ケンゾウ(KENZO MINAMI)によるインパクトあるデザインが配された限定アイテムが登場する。さらに、本館1階ザ・ステージでは、ファッション・アート・音楽の3つを軸にしたステージ企画「CREATORS STUDIO FROM 90’S TO THE PRESENT」を実施。フォトグラファーであるライアン・マッギンレー(Ryan McGinley)やホンマタカシの作品ほか、古着Tシャツやカセットデッキ、アートブックなど90年代カルチャーをイメージしたアイテムまで発売する。本館5階アートギャラリーでは、世界で活躍する写真家たちがそれぞれの感性を刺激され撮影した1950年代から1970年代のニューヨークの写真展「photo:New York 1950’s~1970’s」が開催される。00
2016年05月22日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。本日は洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『The Narcissistic City』ホンマタカシ都市にある建築物が捉えた、日本とアメリカの都市の風景。「都市によって都市を撮影する」と、同シリーズを形容するホンマタカシが用いたのが、写真の原点とも言える“手カメラオブスキュラ”で部屋丸ごとをカメラオブスキュラにした。その原始的な撮影手法により切り取られたのは、ありのままの風景とは異なる都市に潜む影の群像。独特に重なり合う光と影が映り込んだ都市の姿は、まるでナルキッソスが水に映る自分の姿の美しさに見とれたというギリシャ神話の一節ように、通常のカメラの鮮明さが欠落したからこそ現れる自己陶酔的なイメージをはらんでいる。【書籍情報】『The Narcissistic City』著者:ホンマタカシ出版社:MACK言語:英語ハードカバー/112ページ/240x310mm発刊:2016年価格:9,000円
2016年04月09日