くらし情報『「怖い絵」展が兵庫&東京で開催 - 約80点の西洋絵画・版画における“恐怖”を紐解く』

「怖い絵」展が兵庫&東京で開催 - 約80点の西洋絵画・版画における“恐怖”を紐解く

縦2.5m、幅3mにもおよぶ、ポール・ドラローシュの大作は繊細な筆致と緻密な構成で描かれた圧巻の大作だ。1928年のテムズ川の大洪水により失われたと考えられていたが、1973年の調査で奇跡的に発見された。1975年の一般公開再開以来、瞬く間にナショナル・ギャラリーの代表作品となった奇跡の作品が初来日となる。

ヘンリー8世の姪の娘として生まれたばかりに政争に巻き込まれ、望みもしない王冠を被せられたあげく、わずか16歳で死なねばならなかったジェーン・グレイ。この絵画には「9日間の女王」とも呼ばれる彼女が、今まさに処刑されようとしている風景が描かれている。手探りしている首置台に触れれば、彼女は司祭の助けをかりてそばに身を横たえ、処刑人の大きな斧の一撃を受ける。下に敷かれた藁は、夥しい血を吸いとるためのもので、首がころがる様をも想像させる。

ハーバート・ジェイムズ・ドレイパー《オデュッセウスとセイレーン》
半人半鳥または半人半魚の姿で、美声によって船乗りたちを惑乱させ、船を沈めたと言われる海の魔女セイレーン。
マストに縛りつけられた古代ギリシャの英雄オデュッセウスは、彼だけ蜜蝋の耳栓をしていなかったため、セイレーンの歌声を聞いて狂乱し、海へ飛びこもうと身をよじる。

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