くらし情報『エキシビション「メンズ リング イヴ・ガストゥ コレクション」六本木で、古代〜現代の貴重な指輪を展示』

2021年12月11日 18:15

エキシビション「メンズ リング イヴ・ガストゥ コレクション」六本木で、古代〜現代の貴重な指輪を展示

指輪の「魅惑」
また、本展では、イヴ・ガストゥのコレクターとしての側面にも着目し、蒐集にまつわるパーソナルなストーリーも随所で紹介。たとえば「キリスト教神秘主義」の章では、キリスト教の展開とともに変化を遂げる指輪のデザインを紹介する一方で、ガストゥの幼少期のいち挿話にふれている──街で宗教行列を目にしたガストゥは、教区の司教が嵌めた指輪を崇め、それに接吻しようとする信者の列に幾たびと加わろうとした。それを止めようとする母親に、少年は「あんなに綺麗な指輪なんだもの!」と抗議したという。そこに、ガストゥの指輪に対する熱意の原点を見ることができるだろう。

つまり本展では、イヴ・ガストゥという蒐集家が指輪に感じた、どこまでも個人的な「魅惑」を露わにしているように思える。「魅力」が、何かある対象がもつ「客観的な」美点──それが存在するのならば!──であるならば、「魅惑」とはある人がその対象に言いようもなく捉えられていると感じる、すぐれてパーソナルなものではなかろうか。そして、そのように感じられる「魅惑」とは、どこまでもその個人の背景や足跡と交わりつつ織りなされるものだろう。

指輪という、小さくも眩くきらめきを放つものが、一方では文化の厚みを、他方では蒐集者がどこまでも個人的に感じる「魅惑」

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.