2021年10月17日 11:32
私たちの心には、『物語』が必要 恐れや悲しみを受け入れるために、心の奥にパラレルワールドを描く
若くして重篤な病気を患い逝ってしまった人、ある日突然逝ってしまった人、ありし日のままSNSに足跡を残して。ある友人は、メッセージを投稿した翌日に逝ってしまいました。
1か月経った今もとても不思議です。信じられない……と簡単に言えません。まだ、『物語』を作れずにいます。
なぜこんなことを思い出したかというと、ときどき風が胸の奥に吹き込んでくるように、そんな人たちのことをふっと思い出すのです。そのたびに、ああ、もういないのだなあ、と改めて思います。
それは、楽しい夢から覚めたときのように、軽い落胆を伴います。
でも、(もしかしたらどこかで生きているかもしれない)と、ふと思う。そんなパラレルワールドがあるかもしれない、と思ったりするのです。
パラレルワールドとは、『ある世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界』。そんな世界が存在するとは証明できないけれど、存在しないと証明することもできない……と、科学の立場では言われているそうです。
小さい頃、もしかしたら1年先の自分、1年前の自分がどこかにいるかもしれない、と真剣に思ったものでした。1分先の自分も、1分前の自分も。
宇宙はミルフィーユのように時空を超えた世界が重なっているのではないか。