2022年6月5日 10:00
生きる力とは体力や気力、精神力だけではない 食べて、笑うことの大切さ
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
生きる力〜食べて、笑って、どんなときも
失恋をしてもお腹が空く。こんな自分に気づいたとき、生命力とはこういうことなのだと思ったことがあります。
儀式のように泣くだけ泣いて泣くのに疲れて、(なんか食べよう。お腹が空いて死んじゃう)とお米を研ぎ始める。
ごはんの友は何があるかな、と冷蔵庫を開ける。そして、そんな自分の滑稽さを笑う。すると生命力はさらに強まります。
上智大学の名誉教授で死生学を日本に広めたアルフォンス・デーケン先生は、「にもかかわらず笑う」ことが大切だと説いています。
悲しいにもかかわらず笑う。苦労をしているにもかかわらず笑う。笑い、ユーモアは生きる力になる、と。
私はそれに加えて「にもかかわらず食べる」ことも大切だと思うのです。