「みんなうまく潰せなかった」 アレを食べるスプーンに「初めて知った」
『いちごスプーン』のヘッドの裏にはイチゴの模様が!(燕物産株式会社提供)
――製造にいたるまで大変だったことは?
ヘッドの膨らみをどのように変形させるのか、試行錯誤の連続でした。
ただ平らにするだけでは、転がってしまい解決になりません。わずかですが、逆に凹ませることでフィットさせることに成功しました。
形状の目処がたった後、硬いステンレス材でどのように再現させるかも大きな壁に。
無理に力を加えると、金属であっても割れてしまいます。また、金型に負荷がかかるため、壊れやすく、修理ばかりで量産が難しかったそうです。
――『いちごスプーン』はなぜ人気商品に?
やはり、日常のお困りごとを解決するアイテムは評判を呼び、口コミで広がったのだと想像しています。
どのご家庭でも1本は必ずあるアイテムになるまで人気になりました。
――先割れタイプと割れていないタイプがあるが、種類が増えた理由は?
先割れタイプを開発したのは、私の祖父である9代目・捧吉右衛門です。
最初に開発した『いちごスプーン』は、先が割れていないタイプ。祖父は潰して食べる際、イチゴを刺して食べる動作があることに気付きました。