2021年5月31日 15:00
備前長船の刀鍛冶がプレゼントして話題に 熱く燃えたぎった玉鋼から生まれる「安産のお守り」とは?
なぜこの玉が「安産のお守り」なのか…お聞きすると、『「たたら」では、鉄は「生まれる」というのです』と安藤さん。
「たたら」とは、古来より受け継がれてきた伝統的製鉄法 「たたら製鉄」のこと。鉄や玉鋼の原料を炉で熱して精製する日本独自の製鉄法です。
さらに、たたら製鉄で生まれる鉄の塊は「金(カネヘン)」に「母」と書いて「鉧(ケラ)」と呼び、この中から質の良いものが「玉鋼」として刀の材料になるのです。鉧は文字通り「鉄のお母さん」。だから「鉧」は昔から「安産のお守り」とされてきたのだそうです。
※写真は刀鍛冶 安藤広康さん
この話をたたらで聞いていた安藤さんは、玉鋼を使って作刀する中で生まれ出る玉を「安産のお守り」として、見学に来る方に紹介するようになりました。そして2019年4月にTwitterに投稿したのです。
軽い気持ちで投稿したのにあっという間に品切れになってしまって。反響の大きさに驚きましたね。
以来、玉がある程度溜まるとTwitterで募集をし、欲しい方に無料でプレゼントされているそうですが、最近は直接DMでの問い合わせの方も多いのだとか。
「コロナが流行する前にはお守りをプレゼントして無事に出産された方が、赤ちゃんを連れて来られることもありました。