2021年8月22日 15:23
森羅万象とどうつながっていくか 本来持ち続けてきた『自然(じねん)』の感性を意識する
自然に生かされている。森羅万象の中に神を見出し、感謝と祈りを捧げました。四季の移ろいの中の美しさも儚さも味わい、花鳥風月を愛で、それを伝統文化として昇華させてきました。
西洋の絵画には宗教画が多いのに比べて、日本の絵画には自然を描いた作品が多いことにも現れています。
日本にはもともと自然(じねん)という考え方がありました。これは「あるがままの状態」「自ずから然(しか)らむ」という仏教的な思想から来ています。
私たちは森羅万象の一部であると考えられてきました。
『自然(しぜん)』という言葉は、19世紀末に入ってきた英語『Nature』の訳語です。
西洋では、キリスト教的な世界観の中での『自然(しぜん)』は、人間がコントロールするべき野生であると考えられています。
天地創造したのは唯一神であるからです。ここが日本の自然に対する捉え方と西洋の捉え方の違いです。
現代の日本人はどうでしょうか。本来持ち続けてきた『じねん』の感性を意識する時ではないかと思えてなりません。
森羅万象とどうつながっていくか。すべては『与えられたもの』。私たちはその恵みによって生かされている。
こう考えると、思わず頭を垂れたくなります。