2018年9月13日 06:00
妻語る亡き翁長知事“死闘”の日々「僕の命沖縄に任せたい」
『どうして?』って思いましたよ。オスプレイが来て嫌なのは山口も沖縄も一緒なのに。そして知事選で沖縄は『ノー』と民意を示したのに」(樹子さん・以下同)
基地問題では政府に強く抗議を重ね、その数日後には予算の請願に同じ相手の元に足を運ぶ……。常人ならストレスと重圧で参ってしまうだろう。それでも知事は「沖縄のためなら我慢できる」と話していたという。しかし、それはまさに命を削る日々だった。
「去年の暮れぐらいから、翁長は『体重計に乗るたびに体重が落ちている』と。初めは糖尿病を疑っていたんだけれど。
それにしてはおかしいということになって。いつも診ていただいていた医師の勧めで、PET検査を受けたら、すい臓にがんが見つかったんです」
それが今年4月初旬のこと。その先に待ち受けていたのは壮絶な闘病生活だった。知事は腫瘍が見つかったことを公表した会見で「根治できる」と力強く語っていた。しかし……樹子さんは言う。
「本当はもう、そのころには彼は『おそらく僕は12月までもたないと思う』と、私にだけは言っていました。そして、知事公舎に置いてあった本や資料を、ひとりで整理し始めたんです。私が『やめて!』と何度言っても聞かなかった。