2018年9月13日 11:00
辺野古問題に弱音吐かず…故・翁長知事へ妻からの言葉
「私はお酒は飲まないから。会話の相手をしたり、おつまみを用意したり。そんなときはよく口論しましたよ。私は直情型だから『(日米)地位協定、おかしいでしょ!』『自民党、おかしいでしょ!』って、思ったままの意見を彼にぶつけてました。穏やかだった夫がけんかしたのは、日米政府と私だけ」
それでも知事は辺野古問題で苦悩していたときも、愚痴ひとつこぼすことなく、背負った苦労を、妻にすら話そうとしなかった。
「私は彼の顔を見れば苦しいんだな、悔しいんだなとわかる。だから、聞き出そうとしてしまう。それで翁長によく怒られました。
『どうしてきみは黙っててくれないかな。どうして聞き出そうとするかな。きみまで僕の苦労を一緒に抱え込むことないのに!』って」
知事は樹子さんに苦労をかけまいと、常に気を配っていた。
「いま思うとね、私は彼にずっと守られてたんだな、と思います。きっと自分も苦しくてつらくて余裕なんてなかったはずなのに。そんなときでも、私には苦労させたくないといつも思ってくれてた」
ここまで言うと樹子さんは、目に光るものをたたえながら、照れくさそうに笑った。
「だからね、私も素直に伝えておけばよかった。『苦労なんて思ってないよ。
私は幸せよ』って」
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