契約した本人は責めない!銀行“悪質販売”から親を守る術
(稲垣さん)
ジャーナリストの石川結貴さんは、一人暮らしをする86歳の父・Bさんとの電話で「米ドルで貯金して、保険もついてくる契約をした」と聞いた。
「不審に思い、電話を切って調べたらハイリスクな『外貨建て保険』だとわかりました。もう一度電話して寝ていた父をたたき起こして、契約日を聞きました」(石川さん)
契約日は6日前。クーリング・オフができるかどうかはわからないが、翌日、実家に向かった。クーリング・オフとは、契約から8日以内(マルチ商法などは20日以内)であれば、無条件で契約や申し込みを解除できる権利をいう。ただし、クーリング・オフできない契約もあるので、注意が必要だ。
銀行に行ったのは契約から7日目。Bさんが契約したのは、幸いにも、クーリング・オフ規定のある商品だった。
すぐにクーリング・オフの手続きをとったという。
「銀行は何度も『父のため』と言いましたが、実際は、銀行の利益が最優先でしょう。でなければ、ハイリスクな外貨建て保険を、投資経験も理解力もない高齢者に勧めますか」(石川さん)
全国消費生活相談員協会専務理事の阿部美雪さんは語る。
「よくわからないものは契約しない。