2019年1月1日 06:00
美輪明宏さん語る「元号は人が決めたこと。時は流れ続けます」
ただ時間が淡々と流れている。その延長線上でさまざまなことが起き、変化を続けている、そう考えればいいのです。
ただ言えることは、人間が生活していく中で、いろんなものが新しく生み出されてきました。
デジタルの時代になり、情報通信の分野でとくにそれが顕著です。目の前で起きたことを、すぐに世界中に発信できる時代。
つい数十年前までは、想像もできなかった進化がさまざまな分野であります。
昭和26年、私が長崎から東京に来たころは、汽車で28時間もかかりました。
しかも当時は、客車の椅子は木。
座席はすべて向かい合わせで、もちろん冷暖房なんてありません。夏は窓を開けっぱなし。
だから、目的の駅に着くと、顔を洗うための洗い場が、駅のホームにずらっと並んでいました。まるで学校にある共同の手洗い場のようでした。
乗客たちはそこで顔を洗ってから、おのおの目的地へと向かう。今なら長崎から東京まで飛行機で2時間ちょっと。便利になりました。
そして今では、当たり前のように使われている生活用品が普及し始めたのが、「神武景気」(昭和29年12月~32年6月)あたりからです。
電気洗濯機、電気釜、冷蔵庫、そして電話……。