2019年1月11日 16:00
「もう歌えない」晩年の美空ひばりさんが親友に明かした悲しみ
(和也さん)
療養中のひばりさんは、自宅でパジャマ姿のまま、油絵や水彩画を描いて過ごした。
「いつも家にいない母だったので、不思議な感覚。特別なことなんて話しません。今日あったことを話して、一緒にご飯を食べて、テレビを見るくらい。はじめて経験する“普通の母子”の時間でした」(和也さん)
穏やかな日々だったが、こんな苦しみを親友に吐露している。
「真夜中の電話はいつものことでしたが、そのときは様子が違って……。『メイコ、今、試しに布団をかぶって“リンゴ追分”を歌ってみたんだけど、ワンコーラス歌うと、息が苦しいの。“あの美空ひばり”が、だよ』と、くやしそうに訴えるんです」(メイコさん)
歌手として、万全な態勢で臨めない現実にもがきながらも、ひばりさんは一つの答えを出したと、和也さんは語る。
「亡くなる1カ月ほど前、ボクに宛てた手紙で、“もう(ステージ上で)死にたいなんて思わない。早く元気になって和也と楽しい人生を送りたいと夢見ています”と伝えてくれました。ようやく、歌手を引退したあとの第二の人生も考え始めてくれたと思っていたのに、間もなく病状が急変しました」(和也さん)
間質性肺炎のために緊急入院したひばりさんは、人工呼吸器につながれた11日後の6月24日に、逝去した。