くらし情報『紛失、専用機器…マイナンバーカードの保険証化が抱える問題』

紛失、専用機器…マイナンバーカードの保険証化が抱える問題

そうなれば、病院の待合室に置き忘れたりすることが多発するでしょう」

マイナンバーカードはいったん紛失すると、事後処理がたいへんだ。情報漏洩を防ぐため、番号自体を再発行しなければならない。

さらに病院の窓口では、別のトラブルも想定される。

「カードを保険証として使用するには、病院でカードのICチップを読み取る端末などを設置する必要があります。ただ端末を導入するかは病院側の任意なので、導入しないところもあると思います」

つまり、病院によって、マイナンバーカードを保険証として使えるところと使えないところが出てくるというのだ。これは混乱する。

また高齢者などが持参したカードを端末にかざす際、どうしても介助が必要になることが考えられる。もしその人の番号が流出した際、通院している病院関係者が疑われかねない。


「こうしたリスクを勘案すると、病院側も導入には慎重にならざるをえないのが実情でしょう」

私たちがこのリスクを回避する手段はあるのだろうか?
「カードと保険証の一体化が始まってからも、従来の保険証は使えます。保険証であれば、これまでどおり、どの病院でも間違いなく使えて便利。政府の思惑に乗らず、カードを作らない、カードを持たないことが、個人情報を守るうえで最大の自己防衛だと思います」

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