2019年5月16日 11:00
元内閣参与「10万人の国民を殺し、国を貧しくする消費税増税に反対を」
そうなれば、給与カットやリストラされる人が増え、ますます消費が縮小して、物価を下落させる。これがデフレ・スパイラルだ。GDPの6割近くを占める個人消費の落ち込みは、それだけ深刻な影響を経済に与えるのだ。
「バブル崩壊後も、日本経済は鈍化しつつも成長し続けていましたが、5%への増税によって衰退が始まりました。1世帯あたりの平均所得は、増税を機に年間数万円、多いときで約20万円も減っていった。ピーク時の’94年には1世帯あたり年間664万円あった平均所得は、’13年には529万円と、135万円も減少しています。“失われた20年”は、消費税の増税が原因だったのです」
’97年の増税の直後に、一時的に税収が上がったが、翌年から下がりはじめ、増税からわずか6年で10兆円も税収が減ってしまった。結局、消費税増税が招いた不景気のために、税収が減ってしまったのだ。
さらに、「リストラが横行し、自ら命を絶つ人が急増した」と藤井さんは指摘する。’96年には2万3千104人、’97年には2万4千391人だった自殺者は、’98年には3万2千863人に増えている。