2019年6月11日 17:08
金融庁「2000万円」報告書に隠された「年金70歳から」の狙い
※金融庁「報告書」より本誌作成。()内の年度は65歳を迎える年度。報酬比較分とは現役時の報酬に応じた支給分。
100年、安心と言っていたのに――。「年金だけではたりません」。
国が明らかにしたのは、国民にとって厳しすぎる未来だった。金融庁が公開した驚愕の報告書の中身とは?
<(老後資金の)不足額の総額は単純計算で1,300万円~2,000万円になる >
そんな記述を含んだ金融庁の「金融審議会市場ワーキング・グループ報告書」が波紋を呼んでいる。この51ページにも及ぶ報告書が発表されたのは6月3日のこと。報告書によれば、年金収入で暮らしている高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の月間収支は約5万5,000円の赤字である。仮にこの生活が20年続けば約1,300万円が、30年続けば2,000万円が年金とは別に必要になる、というわけだ。
ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、報告書を読んだ率直な感想をこう語る。
「老後のために、2,000万円ほどの貯蓄が必要という試算は、民間では言われてきたことではあります。でも、省庁が“年金だけでは足りない”と表現したことはなかったかもしれません」