年金価値が激減…マクロ経済スライドという“悪魔の仕組み”
おそらく月7万5千円程度の赤字が出るようになります」(北村さん)
10日、日本共産党の小池晃書記局長(59)も「マクロ経済スライドの発動などで、すでに安倍政権の7年間で実質6.1%の年金が削減された」と指摘していた。こうなると、“生活費だけで2千万円の不足”という予想でさえ、楽観的な計算になりそうだ。
金融庁の報告書によって、あらわになった老後資金の不足。報告書は、投資によって増やせる」としているが、平野さんは疑問を呈する。
「株の運用は、初心者ではほとんど利益を出せません。今の50代にとっては『何を今さら……』という話でしょう。そもそも、この世代は投資に関する知識があまりありません。バブル崩壊を目の当たりにし、若いころから貯蓄に力を入れてきた世代。
今さら投資をしろと言われても、ハードルが高いでしょう」
報告書の対処に焦りを見せる政府だが、自民党関係者はその様子を冷ややかに見ている。
「ちゃんとデータで示されているのですから、麻生さんの『政府の政策スタンスと異なるから受け取らない』という言い訳なんて通らない。政府が言っていた“年金は100年安心”神話は完全に崩れたと言えます」
はたして、作成者側はどう考えているのか?今回、報告書を作成したワーキング・グループに参加したのは、大学教授、弁護士、投資会社社長、ファイナンシャルプランナーなど21人。