くらし情報『渡辺美佐子 反戦朗読劇の原点は、原爆で奪われた“初恋の人”』

2019年7月8日 16:00

渡辺美佐子 反戦朗読劇の原点は、原爆で奪われた“初恋の人”

さらに、渡辺さんは映画の中で、擬人化された日本国憲法「憲法くん」も演じる。

「女優生活も長いので。これまで、いろんな興味深い役を演じてきましたけれど、まさか日本国憲法を演じる作品に出合えるなんてね」

渡辺さんはこう言って愉快そうに笑うが、朗読劇、そして憲法くんに通底するのは、彼女の平和を求める切なる思いだ。

渡辺さんは1932年、帽子問屋を営む父と母のもと、5人きょうだいの末っ子として、東京・麻布に生まれた。’41年、太平洋戦争開戦。終戦から3カ月後、一家は三鷹へと転居し、渡辺さんはそこから渋谷にある中学校、高校に通った。

’51年、高校を卒業した渡辺さんは、俳優座養成所に入所し女優の道に。’53年には、早くも今井正監督の『ひめゆりの塔』の女学生役に抜擢され、銀幕デビューを飾る。
以降も、今村昌平監督の『果しなき欲望』(’58年)でブルーリボン賞助演女優賞を受賞するなど、渡辺さんは順調に活躍を続けた。

「あれは’80年でした。『小川宏ショー』というテレビ番組の“ご対面コーナー”に出演することになったんです。事前にディレクターさんから『もう一度、会いたい方は?』と聞かれて、私は急に転校して小学校からいなくなってしまった、男の子の名を挙げたんです」

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