「令和財政検証」最悪試算では30年後に厚生年金4割減に!
「現在、日中貿易戦争が懸念され、日本ばかりでなく、世界経済全体が冷え込んでいます。日本以外の国は、税金や国債などで公共事業などに投資する財政出動に傾いているのに、日本は10月に消費税増税を予定している。増税すれば景気が後退し、税収が下がることは過去の経験則としてある。そういった最悪のシミュレーションが、ケース6にあたる可能性があります」(永濱さん)
年金制度に詳しい日本総研主席研究員の西沢和彦さんはこう語る。
「(財政検証が前提としている物価や賃金の上昇率の予想は)過去の実績に照らし楽観的。現実的なのは、ケース5と6です」
最悪なケース6では、5年後には所得代替率が60%となり、’43年には50%に。’52年に46.1%まで落ち込んだところで、将来に備えて現在160兆円用意されている年金積立金が枯渇する。
その後、保険料と国庫負担で賄うことができる所得代替率は36〜38%にまで落ち込むと報告されている。
所得代替率36%を現在の「平均手取り額」から計算すると、夫婦2人の年金額は12万8,520円。現在の水準から約42%の減額だ。とても暮らしていける額ではない。