2019年12月9日 17:27
「親の治療費に」でデータ転売 高橋容疑者の供述で企業批判も
神奈川県庁の行政文書が記録されたハードディスク(以下・HDD)が、ネットオークションを通じて転売されていた事件で、12月6日、HDDの処理を請け負ったブロードリンクの元社員・高橋雄一容疑者(51)が窃盗の容疑で逮捕された。HDDには大量の個人情報が詰まっており、世界最大規模とも呼ばれているが、高橋容疑者の供述がネットで波紋を呼んでいる。
朝日新聞によると高橋容疑者は16年2月に入社し、HDDのデータ消去を担当していた。ブロードリンクのデータ消去室では、バッグなどの私物の持ち込みは禁止。また出入りにはIDカードと指紋の認証が必要となる。しかし高橋容疑者は他の社員がいない早朝を狙って盗みを繰り返していたとみられている。また高橋容疑者は「中身は知らなかった。転売する目的だった」と話しており、くわえて「入社直後からやっていた」「簡単にできるから、毎日のように盗み出していた」とも明かしたという。
神奈川県だけでなく防衛省や最高裁判所などの公共機関、さらには証券会社などとも契約していたブロードリンク。高橋容疑者は「中身は知らなかった」と述べているが、3年間も同社では重要なデータが流出する危険に晒されていた。