くらし情報『ヒットメーカー松本隆 作詞家生活50年、世界観の原点は母親』

2020年3月17日 06:00

ヒットメーカー松本隆 作詞家生活50年、世界観の原点は母親

手がけた楽曲は約2,200曲。日本語の美しさ、豊かさに改めて気づかせてくれる松本ワールドの原点を聞いていくと、やがて現在もご健在である母親の存在が浮かび上がってくる。

「息子の目から見てもすごい母だった。まるでウルトラの母みたいな豪傑(笑)」

そういって笑う松本。少女時代、“伊香保小町”といわれるほど美しかった母は、大蔵省(当時)に勤務していた父親に見初められて結婚。長男の松本、そして妹を出産する。「ふだんは優しい人なんだけど」と前置きしつつ、松本は続ける。

「妹は生まれつき心臓が弱く、若くして他界してしまった。
普通なら母親が『強く産んであげられなかった』と自責の念に駆られてしまうものだろうけれど、母はまるでクヨクヨしたところがないの。料理も独創的で、僕がグルメになったのが不思議なくらい」

母親が泣いているところはいまだに見たことがないという。

「80代まで群馬県のシニアの卓球選手で。ある夜更けに親父から電話があって、母親が高熱を出して入院しているのに『卓球選手権に出るから九州へ行く』と言い張っている、と。『隆が止めろ』と親父は言うんだけど、僕が止めても無駄なのはわかりきっているんです。

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