「寡婦控除」を知っていれば納税額が年約5万2000円安くなる
「寡婦(かふ)」という言葉を聞きなれない人も多いのでは。夫と離婚、または死別して、再婚していない女性をいう。こうした寡婦のうち一定条件を満たす方には、「寡婦控除」という税金を安くする仕組みがある。
だが、制度自体を知らない人が多く、なかには「会社に離婚したことを知られたくないから申告しない」という女性もいるという。「女性とシングルマザーのお金の専門家」として、女性からの相談実績が豊富な加藤葉子さんは、つぎのように話す。
「離婚して相談に来る方でも、寡婦控除を知っている方はほとんどいません」
でも、せっかく税金が安くなる制度があるのに利用しないのは、税金を払いすぎているということ。節税できるありがたい制度を、使わない手はないだろう。そこで、加藤さんが寡婦控除について教えてくれた。
寡婦控除には2種類、「寡婦控除」と「特別の寡婦控除」がある。寡婦控除は所得税を計算するときに、収入から27万円を控除、つまり差し引くことができる。住民税の計算では、収入から26万円が控除できる。また、特別の寡婦控除の場合は、所得税では35万円を、住民税では30万円を控除、収入から差し引くことができる。