ずうとるび脱退で無一文に…山田たかお救った笑点からの電話
彼らの人気は徐々に停滞気味に。同時期、山田くんには私生活でも大きな変化が……。それは人生最初の結婚。1977年、山田くん21歳のときだ。また、メンバー間には音楽性の違いによる軋轢も生じ始め、コミック路線を進みたい山田くんと、歌って踊れるアイドルを目指したいほかのメンバー。そこで、山田くんは脱退を決意。
「やっぱり僕は、どこまでも人を楽しくさせたい、明るくさせたい、笑顔にしたいっていう思いが強くてね。普通のアイドルじゃ、面白いと思えなかった。
それに、当時の奥さんの親類とも、どうにも折り合いが悪くて。芸能界引退まで迫られてしまって……離婚することになったんです」
慰謝料と養育費を払い、無一文に。家族を失うと同時に、仕事もどんどんなくなっていった。そんな窮地に1本の電話が入る。かけてきたのは旧知の『笑点』のプロデューサー。用件はただ1つ。
「山田、お前、座布団運びやるか?」
即答した。
「やります、やらせてください。
なんでもやりますから」
こうして1984年。「座布団運びの山田くん」は誕生した。その日から36年間、山田くんは家庭用よりはふた回りも大きく重い座布団を運び続けている。
「最初の座布団を誰に持っていったかは、もう忘れちゃった(苦笑)。