2020年3月31日 00:00
首都封鎖 独居老人に危機か…引きこもりで健康害す事例急増も
東京都には一人暮らしで75歳以上の人々は60万人いるという。いわゆる“独居老人”たちにも命の危機が忍び寄っているのだ。NPO法人「医療ガバナンス研究所」理事長の上昌弘さんは、
「高齢者は孤立すると容易に健康を害します。東日本大震災が発生した後は、放射能の影響を避けるために多くの高齢者が自宅や屋内にひきこもりました。その結果、糖尿病が悪化したり、脳出血を起こしたりと、亡くなった方が急増したのです。コロナウイルスを怖がって病院に行っていない高齢者も増えていると思いますが、“家にこもる”という行動が命に関わることになるのです」
健康社会学者の河合薫さんも、
「3月に入ってから、地域交流館(※自治体のデイケアサービス施設で、比較的健康な高齢者が利用している)が、感染防止のために次々とクローズされています。そのため、誰とも話すことができずに自宅にいる高齢者も増えており、運動能力や認知機能が著しく悪化していくことを心配しています。“親にコロナをうつしたくないから”と、実家を訪ねることを遠慮しているお子さんたちも多いようですが、電話で会話をしたり、体操や散歩を勧めたりを心がけていただきたいと思います」