2020年5月13日 15:50
同居母を看取ったら? ケースで見る介護にかかるお金
介護費用はすべて自己負担が1割の場合の金額だ。
「介護は本人ばかりでなく、家族全体の問題です。これを機に親子や夫婦で話し合ってほしいですね」
【ケース1】母と同居し、「在宅介護」を行う場合
千葉県郊外に住むDさんは、母と同居している。母は昔からテレビの健康番組を見ることが日課で、大人の塗り絵やウオーキング、筋トレなど、“よい”といわれるものは、積極的に生活にとり入れるタイプ。その結果、頭も体も元気そのもの。
「一緒に住んでいるんだから、困ったことはなんでも頼ってね」とDさんが言っても、母は「あなたはパートがあるんだから、そんなに心配しないで」と、逆に気遣ってくれるほどだった。
しかし、寄る年波にはかなわない。80歳で要支援2と認定されたことで、健康管理のために週2回のデイサービスの利用を始めた。
87歳で要介護2。留守の間に何かあると心配だからと、高齢者施設への入居を考えたこともあったが、母の「畳の上で死にたい」という意思を尊重した。
家の中でのけがを心配したCさんは、バリアフリー工事をすることに。玄関の段差にスロープをつけたり、階段に手すりの取り付け工事で総額約100万円となったが、介護保険の支給対象である20万円までは給付を受けられたため、自己負担は82万円で済んだ。