2020年6月1日 11:00
貧困支援「もやい」理事長は33歳 10年間対峙した困窮の現場
「生活保護の申請に同行すると、窓口の人の対応がすごく悪いことが少なからずあるんですよね」
そんなとき、大西さんの持ち前の正義感に火がつくのだ。
「『え、なんで?』って思う。この人は何年も頑張って働いてきて。でも、さまざまな事情でいま、困窮していて。だからってすぐに福祉に頼りたいとも言わず、社会への迷惑だとか、自分のプライドだとか、いろんなことを考え、悩み、何年も逡巡して、やっと勇気を振り絞って来たのに。どうして傷をえぐるようなことを、平然と言うんですかと、そう思うんです」
これまで、たくさんの困窮者に同行した窓口で、大西さんは毅然と、しかし何度も、こう言わざるをえなかった。
「なんで、あなたはそんなことを言うんですか?法律をちゃんと運用してください。生活保護の申請、妨げるものじゃないですよね」
困窮者の世界は、他人事ではない――。
いまこの瞬間も、大西さんたち「もやい」は支援の手を差し伸べ続けている。
「女性自身」2020年6月9日号 掲載
「迷惑なんだよ!帰ってこい!」友だちと食事さえ許されない…虐待毒母の狂気に苦しんだ私は