2020年7月22日 11:00
「やりがい感じる余裕ない」いまだ続く医療現場からの“悲鳴”
(写真:アフロ)
「コロナ禍がひどかった4月、5月の記憶が本当に曖昧なんです。忘れたいし、二度と戻りたくないというのが正直な気持ちです」
関西地区の大学病院の感染症部門でICUと救急外来を受け持ち、コロナ治療の最前線にいる看護師のAさん(26)。6月末のこの日も、つい数時間前まで“コロナ病棟”で残業をこなしていたといい、声には疲れが色濃くにじんでいた。
7月10日に東京都で過去最多となる243人の感染者が出て、大阪府も9日時点で4月以来となる31人を記録。都では、30代以下の感染者が実に8割近くを占めると報じられた。PCRセンターにも勤務する感染症専門医で、のぞみクリニックの筋野恵介院長は言う。
「若い人は感染しても重症化することが少ないです。私が担当するPCRセンターでも、『スタバの帰りに寄った』など気軽な感じの人も多い。
そんな軽症で活動的な若者が無自覚のうちに、感染をジワジワと広げてしまっている可能性は大いにあります」
コロナ医療の現場も、いったんは落ち着いたかのように伝えられていたが、Aさんの証言のように、実は今もなお医療崩壊寸前の過酷な状況が続いていた。
「昨日も、2名運ばれてきましたから、現在は6名のコロナの患者さんが入院されています。