2020年8月28日 15:50
なぜ大阪だけ重症患者数が突出?背景に“隠れ感染者”指摘も
そこからさらに検査数を増やしていくと、陽性率は次第に低くなっていくはずなのです。しかし今の大阪では検査数を増やしたところ、陽性率も同じく上がっています。これはPCRの検査数が足りないため、まだ全容を把握できていないと考えられるのです」
つまり大阪で重症化する人が多い背景には、そもそも認識されていない“隠れ感染者”の存在があるとも考えられるというのだ。
たしかに19日に大阪府の専門会議で発表された資料によると、重症者の感染経路の7割が「経路不明」となっている。
高鳥毛教授が指摘するように、大阪府は現状を正確につかめていないようだ。
「またPCRの検査体制が不十分で、すぐに検査を受けられないと、感染者の発見が遅れます。その間に重症化する人も出ますし、感染はさらに広がっていきます。結果として高齢者にも感染し、重症者が増えるというわけです。
第1波が落ち着いたとき、私は大阪府に『PCR検査態勢を拡充しないと大変なことになりますよ』といった要望書を出しました。しかし、吉村洋文知事は十分と考えているようです。
知事は重症患者用の病床数確保に気をとられ、その前段階である感染者を減らすことは手薄になっている気がします。