コロナ不況下での「パート解雇」は10月から本格的に急増する
全国で約6万1,000人。これは厚生労働省の調査による、新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人の数だ。とくに気がかりなのが、女性が7割を占めているといわれるパートや契約社員、派遣社員などの非正規労働者が、全国で約3万人も職を失っていることーー。
しかし、この数字でさえ実態を表していないと語るのは、労働問題に詳しいNPO法人POSSE代表の今野晴貴さん。
「解雇や、契約期間満了を理由に契約を終了させる雇い止めを、厚労省が集計した数字はハローワークが把握しているものだけ。すなわち氷山の一角でしかなく、仕事を失った人はもっと多くいます。いわゆる“派遣切り”や、パート労働者の一方的な解雇など、とくに非正規労働者の実態はつかみにくいため、厚労省の数字より3〜4倍は多く、すでに10万人を超えていてもおかしくありません」
実態はより深刻であることは、9月25日付の『西日本新聞』でも明らかだ。今年4〜7月に九州7県の各労働局へ届けのあった「会社都合の退職(=解雇・雇い止め)」の人数は2万3692人に上り、同期間の厚労省の発表(九州7県で4,093人)と比べると、5倍以上の開きがあることが判明したのだ。